「正解がないからこそ、相手を思う気持ちが大切」ギフトコンシェルジュに聞く、本当に喜ばれる贈り物とは? LINEギフト10周年企画

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女性が赤いギフトを手に持ち、笑顔を見せています。背景には柔らかな光が差し込む部屋が映っています。

「ギフト」は昔から人と人をつなぐ大切なコミュニケーション手段ですが、近年ではその在り方が大きく変わりつつあります。コロナ禍による生活様式の変化やデジタル化の進展により、LINEギフトをはじめとするデジタルギフトの人気が急上昇。その一方で、「直接渡す贈り物」にこだわる人々も多く、リアルとデジタルが共存する新たなギフトシーンが広がっています。
このような時代において、「相手が本当に喜ぶ贈り物」とは一体何なのでしょうか?

そこで今回は、ギフトコンシェルジュとして多くの相談を受けている河野ひろこさんにインタビュー。プロの視点から贈り物の選び方や最新トレンド、時代に合わせたギフト活用術も教えていただきました!

河野さん
河野ひろこさん(こうの ひろこ)
ギフトコンシェルジュ/編集・ライター
看護師時代に培ったホスピタリティを活かし、贈り相手の「人となり」を想像したプレゼントの見立てが得意。子育てに奮闘しながらも、週に1回以上の東京まち歩きとショップ巡りを10年来ライフワークにしている。
ギフト専門メディア「スマイルレーベル」

本当に喜ばれる贈り物とは? ギフト選びのポイントと注意点

――矢野経済研究所が2025年3月に発表した調査結果(※1)によると、ギフト市場規模は2019年に10.7兆円を記録しましたが、コロナ禍の影響を受けた2020年には9.9兆円と一時的に落ち込みました。その後、2023年には10.8兆円を超え、現在も成長を続けています。コロナ禍を経て、お客さまからのご相談内容に変化はありましたか?

河野さん

データが示すとおり、現在のギフト市場規模は拡大していますが、贈答の機会そのものが変化しているように感じます。家族や友人など、親しい関係へのギフトの相談が増えている一方で、リモートワークが普及した影響か、職場の方へのギフトは減少傾向にあります。

その代わり、ギフトを贈る対象が多様化しています。最近、よく受けるご相談としては、「推し活でどんなプレゼントがいいか?」というものがあります。

※1 ギフト市場に関する調査を実施(2024年)

女性がパソコンの前で笑顔を見せています。手前には別の人物の手がぼんやりと映っています。

――ギフトコンシェルジュは、推し活のプレゼントの相談にも対応されているんですね! どういったアドバイスをされるのでしょうか?

河野さん

私もはじめは驚きましたが、コロナ禍以降、ライブ・エンタテインメント市場規模も拡大しています。そのため、リアルイベントだけでなく、オンラインイベントをきっかけに推しと出会うケースも増えているそうです。

推しとの距離感って難しいですよね。ファンとして相手の好みは把握しているけれど、実際に何をプレゼントすればいいのかわからない。特に、「印象を残したいけれど、"重い"と思われたくない」というジレンマを抱える方が多いです。

ギフトには「正解」がない分、相手の心に響く「ヒットゾーン」を意識することが大切です。推しへのプレゼントであれば、他のファンと金額感をそろえることや、事務所に所属しているタレントであればプレゼントのルールを確認することもアドバイスしています。

――推しへのギフトだけでなく、「LINEギフト」では、いい推しの日(11月4日)に、推し活仲間同士で推しカラーの商品を贈られる、なんて動きもあるそうです。

赤い包装のギフトがクローズアップされています。金色のリボンが結ばれ、丁寧にラッピングされています。

――誕生日、結婚祝いや出産祝い、シーズナルイベントのギフトでも、予算感を意識したほうがいいのでしょうか?

河野さん

一般的な金額の相場としては、結婚・出産のお祝いが1万円、友人に贈る誕生日のプレゼントが3,000~5,000円、母の日など感謝を伝える記念日のプレゼントが5,000円とされています。しかし、贈る側としては相手に喜んでもらいたい一方で、お返しが負担にならないようにしたいという配慮も必要です。

そのため、相場と比較して極端に高すぎたり安すぎたりしないように意識することが大切です。例えば、親しい友人にギフトを贈る際は、過去にやりとりした贈り物の金額感を参考にして価格を決めることをおすすめしています。

また、ギフトを贈られた相手が、お返しに困らない金額にすることもポイントです。
ギフトで大切なのは、何よりも相手を思いやる気持ちです。

――金額以外に、注意点はありますか?

河野さん

負担にならないという意味では、金額だけでなく、量にも気をつけたほうがいいですね。大量の野菜をもらって困った経験、みなさんにもありませんか?(笑)。

贈る側の「喜んでもらいたい」という気持ちはありがたいのですが、生ものは鮮度が落ちやすく、冷凍保存が難しいものもあります。また、SNSでよく話題になるのが、恋人に服やアクセサリーをプレゼントしても、好みに合わないと使えないというケースです。でも、もらった手前つけないと申し訳ないと感じてしまうなど、相手に負担をかけてしまうこともあります。

そうならないためには、日頃から相手の趣味や好みを観察しておくと、ギフト選びの際に迷いが少なくなります。また、思い切って欲しいものを直接聞いてしまうのも一つの方法です。ギフト選びに冒険しすぎず、ときには無難なものを贈ってもいいと思います。
お互いが気持ちよくプレゼントをやりとりするためには、こうした気配りが欠かせません。

女性が笑顔で手を叩いています。背景には明るい部屋が広がり、リラックスした雰囲気が漂っています。

――プレゼントを選ぶときに河野さんが大切にしているポイントを教えていただけますか?

河野さん

先ほどもお話ししましたが、日頃から相手の趣味や好みを観察することです。プレゼントを選ぶ際には、なぜそれを選んだのかという理由が必ずあります。その理由を相手にしっかりと伝えられるように考えながら、感謝の気持ちを形にすることを心がけています。

例えば、最近のカタログギフトには飲食店や旅行、キッチンアイテムなど、さまざまな種類があります。相手の好みを考慮して選ぶことで、時間と手間がかかりますが、そのひと手間こそが配慮として伝わります。もらった側にも選ぶ楽しみを感じてもらえるので、私もよく活用しています。

LINEギフトで気軽に伝える、日常のちょっとした感謝の気持ち

――LINEギフトは、LINEアプリのトークを通じて友だちや家族にプレゼントを贈ることができるコミュニケーションサービスとして、2015年にリリースされ、今年で10周年を迎えました。店舗で使えるeギフトと自宅に届く配送ギフトがあり、利用者は増えていますが、まだなじみが薄い世代もいます。こうした"会わずに渡せる"サービスをどのように捉えているのでしょうか?

LINEギフトの購入手順が3ステップで示されています。スマホ画面のスクリーンショットが並んでいます。
河野さん

LINEギフトがリリースされた直後は、私の親世代には使い方がわからず戸惑う方が多くいました。ですが、最近では理解が進んだこともあり、その抵抗感も和らぎつつあるように感じます。実際、年配の方からも「便利なものができた」という声をよく聞きますよ。

LINEは世代を問わず多くの方が利用しているサービスです。年配の方が子どもや孫からLINEギフトをもらい、「どうやって使えばいいかわからない」と聞くことで自然とコミュニケーションが生まれ、そのやりとり自体に喜びを感じるケースもあるようです。

――LINEギフトでギフトをもらった人が、今度はギフトを贈る側になることで、サービスが広まっていったのかもしれませんね。

河野さん

私も、妹からスターバックスのドリンクチケットをもらったことが、LINEギフトを知ったきっかけでした。
それを機に、同世代のママ友にギフトを贈ってみるようになりました。若い世代が上の世代に伝えることで、じわじわと広がっていったのではないでしょうか。

――デジタルギフト全体で見ると、年配の方も活用されているのでしょうか?

河野さん

最近はお中元やお歳暮をオンラインで贈る方も増えており、年配の方も活用されています。ただ、シーンによって使い分けたほうが良いでしょう。

冠婚葬祭に対応したサービスも普及していますが、そういった正式な贈答シーンでは、便利だと感じる人がいる一方で、従来の贈り方を好む方もいます。

ギフトは自分の気持ちを押しつけるものではありません。お世話になった先生や職場の上司などには直接手渡しをするなど、状況に合わせた対応が必要です。

女性がテーブルでギフトを開封しています。傍らにはカラフルなデザインの紙袋が置かれています。

――デジタルギフトを利用する際も、相手を思いやる気持ちが大切なんですね。

河野さん

直接渡す贈り物と同様に、相手の好みを把握する意識が欠かせないと思います。また、デジタルギフトには利用期限があるものも多いため、贈る際には相手がそのチケットを実際に利用できるかどうかを考慮することが大切です。
利用できる店舗が近くにあるか、普段から使っているお店かどうかなど、相手のライフスタイルに合わせて選ぶことを心がけましょう。

とはいえ、気軽に利用できるのがデジタルギフトの魅力です。
例えば、友人と出かけて車で送ってもらったら、「帰りにコーヒーでも飲んでね」とドリンクチケットを贈ったり、職場で仕事の相談に乗ってもらったお礼にスイーツを贈ったり。身構えずに日常のちょっとした感謝の気持ちを伝えるには、とても便利なサービスですよね。

心のコミュニケーションがぐっと深まる! LINEギフトのメッセージカード機能

――日常のちょっとした感謝の気持ちを伝えるシーンで、職場で活用しやすいLINEギフトの選び方には、どのようなポイントがあるでしょうか?

河野さん

LINEギフトで人気かつ定番なのは、やはりスターバックスのドリンクチケットだと思います。職場の同僚への気軽なお礼として利用されている方が多いのではないでしょうか。私が個人的に愛用しているのは、Soup Stock Tokyoのスープギフトです。

食事と引き換えができる「スープギフト券」が690円、冷凍スープや雑貨類にも対応している「Soup Stock Tokyoスープギフト」が1,000円、2,000円、3,000円とあり、自分で買うこともありますが、ささやかなぜいたく品なのでギフトにぴったりなんです(笑)。

職場の同僚であれば、相手の好みや行動範囲をある程度把握していることが多いでしょう。相手が好きな食べ物やオフィスの近くにあるチェーン店などを基にギフトを選ぶと、より喜ばれるのではないでしょうか。

Soup Stock Tokyoのスープギフトの紹介ページ。多様なスープや料理の画像が並べられています。

――LINEギフトのおすすめ機能はありますか?

河野さん

メッセージカード機能です。贈る相手やシーンに合わせて豊富な種類があり、贈る側もデザインを選ぶ楽しさがありますし、贈られる側も嬉しいですよね。

テキストを省略して贈る方もいると思いますが、ひと言でもメッセージを添えることで、心のコミュニケーションがプラスされて、より気持ちが伝わるのでおすすめです。

私は相手に感謝の気持ちや、なぜそのギフトを選んだのかを伝えるため、直接渡す贈り物にもメッセージカードや手紙を添えるようにしています。しかし、手紙を書くことに慣れていなかったり、何を書けばいいかわからなかったり、字に自信がないと敬遠する方も多いようです。

ですが、LINEギフトのメッセージカード機能なら、LINEスタンプを送る感覚で感謝の気持ちを文字にできます。デザインに迷ったら、相手が好きなキャラクターを選ぶと良いでしょう。
友人には「また会おうね」、職場の仲間には「いつも相談にのってくれてありがとう」といったひと言を添えるだけで、ギフトを受け取った側の嬉しさは何倍にもなると思います。

LINEギフトのカードデザインが表示され、可愛らしいイラストやメッセージが目を引きます。

ーーLINEギフトには、メッセージカード以外にも、相手の趣味や好みがわかる「ほしいものリスト」や、もらった人が色や香りを選べる機能など、ギフトサービスならではの工夫があるそうです。

河野さん

ギフトは、贈る側だけでなく受け取る側にとっても特別な体験を生み出すもの。
LINEギフトをはじめとするデジタルギフトは、現代の多様なニーズに応じた新しい贈り物の形です。シーンごとの使い分けを意識しながら、気軽に感謝を伝える手段として活用してみてはいかがでしょうか。

女性が青い包装のギフトを持ち、笑顔を見せています。テーブルにはギフトバッグが置かれています。

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取材日:2025年3月26日
文・大川竜弥 編集・ヒャクマンボルト
※本記事の内容は取材日時点のものです

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