私たちの部署では、LINEギフトのランディングページ(以下「LP(※1)」)の構成や商品の探しやすさの向上に取り組んでいます。いわばお店で「棚」の陳列を工夫するように、商品の並び順や切り口のチューニングを日々行っています。
今年も猛暑が続いています。厳しい暑さを少しでも和らげてほしい、日ごろの感謝を伝えたい、という気持ちをこめてご家族や大切な人へサマーギフトを贈った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
LINEギフトでは、誕生日や季節のイベント、記念日、そして年中行事に合わせたさまざまな商品を提案しています。その裏には、一目で「これを贈りたい!」と思わせるディスプレイを設計している商品コンテンツ部の存在があります。
「どうすればギフトを贈りたい気持ちを動かせるか?」を考え抜き、魅力的な売り場づくりに取り組んでいるメンバーに、商品を「魅せる」工夫について聞いてきました!
私たちの部署では、LINEギフトのランディングページ(以下「LP(※1)」)の構成や商品の探しやすさの向上に取り組んでいます。いわばお店で「棚」の陳列を工夫するように、商品の並び順や切り口のチューニングを日々行っています。
※1 LINEギフトのLP:
1)恒常的なLP:LINEギフトを開くと並んでいる、12個のアイコンから遷移されるLP
2)特集LP:猫の日、敬老の日などのギフトイベントに合わせた特集LP
売り場作りにおいて一番重視しているのは「切り口」です。
多くのユーザーは何を贈るかまだ決めていないことが多いので、その人たちに「これを贈りたい!」と思ってもらえるよう、贈った相手が受け取って喜ぶ姿を具体的に想像しやすいテーマやコンセプトを設定することに力を入れています。
たとえば、LINEギフトで一番売れるのは「迷ったらこれ」や「今人気のもの」といった、「ハズさない」ギフトです。定番で人気のあるものは安心して贈れるギフトとして売れやすいため、それらの商品はしっかり見せるようにしています。
また、季節感も大切にしています。夏はスイーツならアイスやゼリーなどが人気ですし、グルメギフトならメロンや桃などがおすすめです。旬のものも取り入れて、「今だからこのギフトだよね」と後押しするような商品の見せ方も意識しています。
LINEギフトでは、コスメやグルメ、スイーツなど売り場の種類によってユーザーの探し方が異なります。
ハイブランドコスメの場合、ギフトを受け取る相手が知っているであろうブランドを軸に選ばれることが多いため、ブランドで探しやすくする工夫をしています。
一方、グルメギフトは、シズル感や写真の工夫など、旬を感じさせるためのフックを作ることが重要です。ユーザーが選びやすいように「今おすすめのもの」という情報を打ち出すタイミングや、「おいしそう」が視覚的に伝わる見せ方を意識しています。
このように、ユーザーの探し方に合わせて打ち出すポイントやクリエイティブのレイアウトを調整しています。
商品の見せ方を考えるときには、百貨店やお店で開催されているポップアップイベントなども参考にしています。
SNSのトレンドから「これが来そう」とか「みんなが注目しているものはこれ!」などとヒントを得ることも。また、ユーザーがどんなギフトシーンだと贈りやすいかも、定期的に調査しています。
まず、LINEギフトを開くと、入り口に12個のアイコンが並んでいますが、ユーザーがタップした先に求める期待感とずれないようにすることも意識しています。
たとえば、「プチギフト」を探しているユーザーに4,000円ぐらいのものを見せるのはちょっと違いますよね。そのようなことにならないよう、ユーザーの期待値に合わせた見せ方を心がけています。
また、このアイコンをタップした先にあるページは、ユーザーが「これおいしそう」「すてき!」と思えるような商品写真をページの上部に配置し、興味を持っていただけるよう工夫しています。
棚の商品を並べるのが遠藤たち編成運用チームの仕事だとすると、私たちコンテンツ制作チームの仕事は、たとえるならヴィレッジヴァンガードやドン・キホーテにあるポップを書く役割に似ています。具体的には、掲載するコンテンツやテキスト、ビジュアルイメージを制作するのが私たちの仕事です。
コンテンツを作る上で、訴求テーマの切り口やターゲットユーザーの設定など、大きな方針を決める際には、なるべく母数が大きい定量的な数値データを参考にします。
ですが、その一方で、テキストの文体やビジュアルのトンマナなど、コンテンツのディテールを詰める作業では、「n=1」つまり「ひとりのペルソナ」の雰囲気をつかむことが重要だと考えています。
そのため、ターゲットユーザーに近い社員にインタビューを行うことも。その際には、話しているときの雰囲気や使う言葉、温度感なども把握することを心がけています。それらを参考にしながらLPのテキストやビジュアルを作成し「熱量の可視化」を目指しています。
今年の2月22日に実施した「猫の日」のLPでは、猫好きの人にインタビューを行い、猫について語るときの言葉やテンション、温度感を把握しました。
そのときに感じた雰囲気や熱量も反映させて、たとえば見出しでは「猫ちゃん」と呼ぶのか、それとも「猫さま」と呼ぶのかなどを決めていきました。
「猫さまにギフトをささげよう」という「猫に贈るギフト」のコーナーも作ったところ、「ちゅ~る」などがかなり売れました。
猫の日は、多くの人にとってはギフトを贈る習慣がないイベントなので、この特集では「自分買い」が多いと予想していましたが、実際には猫が好きな友だちに贈る人が多いという結果に。
「相手の顔が思い浮かぶイベントであれば、ギフトを贈りたくなる気持ちは醸成できる」ということがわかりました。
大枠の方針や戦略はデータがものを言いますが、ギフトを贈る上での最後の一押しは、数値化するのが難しいディテールの部分だと思います。そこを正確に当てるのが一番難しく、そしておもしろい作業ですね。
吉川が言うように、このような結果をデータで取るのは難しいですが、猫の日特集では、SNSで「猫好きの心理をよくわかっている「見てるだけで癒やされる」といった反応があり、とてもうれしかったですね。刺したい人にはしっかり刺さったということだと思います。
趣味嗜好(しこう)に基づくギフトは、「猫好き」など「何かを推している」人向けには特に強いのかもしれません。
こんな風に、「ちょっと買ってみようかな、あの人に贈ってみようかな」という気持ちを少しずつ高めていく売り場を作っていくことが、私たちの役割だと思っています。
今まではバレンタイン、ホワイトデー、母の日、父の日、クリスマスの5つのタイミングでギフトイベントを設計していましたが、それ以外にもギフトイベントがあるのではないか、ということで、昨年9月の「敬老の日」から新しい取り組みを始めました。
敬老の日は、ギフトイベントとしての規模は小さいかもしれませんが、おじいちゃん、おばあちゃんに感謝を伝える日です。少し背中を押してあげることで、ギフトを贈る人が増えるのではないかと考えました。
昨年はハロウィンイベントでもギフト機会の創出にチャレンジしました。ハロウィンではお化けモチーフの商品を集め、LPもハロウィンらしいデザインで作成しました。
今年4月には「初任給の日」をギフトシーンとして提案してみました。これは、初任給をもらった新社会人の皆さんをメインターゲットにして、お世話になった方や両親にお礼のギフトを贈ろう! というものです。
結果として売上はそれほど奮わなかったのですが、この時に制作した「育ててくれてありがとう」のようなエモーショナルなメッセージを打ち出したクリエイティブ自体は好評で、このフォーマットは、母の日などのコンテンツ制作にも活用しました。
このように、たとえ結果が想定ほど芳しくなくても、次につながる学びを得られるものであれば、すべてのトライには価値があると考えています。
はい、LINEギフト利用の多くが誕生日ギフトです。そこで、誕生日用のLPを作成して、特別なラッピング商品や名入れができるギフトなども紹介しています。
誕生日って、関係の近しい人でないと前もって気づかないことが多いですよね。そして、親しい間柄でも、当日になって気づくことも多いかもしれません...。
でも、LINEギフトなら、贈った瞬間に「お誕生日おめでとう! 〇〇さんがあなたにこれを贈りました」というメッセージカードがLINEのトーク画面に届くので「お祝いの気持ちを贈りたい」と思った瞬間に贈れます。
誕生日当日にLINEのトークにメッセージが届いたとき、そして、数日後に実際にギフトが届いたとき。この「2回」うれしいタイミングがあるというのは、LINEギフトを受け取ったときならではの体験だと思います。
LINEギフトのLINE公式アカウントでは、誕生日カード付きの商品や特別パッケージの商品を毎月1回配信している。
吉川「誕生日プレゼントを贈ろう、と思ったときにすぐに見返していただけるよう、気になる商品はハートマークをタップして保存しておくことをおすすめしています」
今月は、「上半期ベストセラー」をテーマにヒットしたギフトを紹介するLPも公開していますので、ぜひギフト選びの参考にしてみてください。
これからは、たとえばSNSでバズったものに連動するようなギフトイベントの企画もしていきたいと考えています。年末に向けて検討中のものがいくつかありますので、楽しみにしていてください!
山内:
今年の夏は、SABONのハンドジュレを母に贈りたいですね。母は退職後も幼稚園の先生をしていて、外で過ごすことが多いので、涼しいものが良いかなと思っています。香りも心地よいので、喜んでもらえると思い選びました。
【ひんやりアイテム】ハンドジュレ 〈スパークリング〉(※スマートフォン限定/LINEアプリ起動)
吉川:
最近は暑中見舞いを贈る風習がなくなってしまい、久しぶりの友だちに連絡するきっかけが減ってしまったので、プチギフトを贈って「最近どうしてる?」とあいさつ代わりにしたいと思います。たとえば、サーティワンのアイスの1,000円分のギフトカードなどが気軽で良いですね。
アイスクリーム1,000円ギフト券(※スマートフォン限定/LINEアプリ起動)
遠藤:
義父母に夏のフルーツを贈りたいですね。特に暑い夏にはさっぱりとしたフルーツを楽しんでもらいたいと思います。
《夏のご挨拶カード付き》旬の国産プレミアムフルーツのミニお重セット[贈答用](※スマートフォン限定/LINEアプリ起動)
山内「私たちの部では、全員でレビューを行い、フィードバックし合っています。複数の視点から客観的に『ユーザーはこう思うのではないか』を捉え、売り場やコンテンツのブラッシュアップに活かしてほしいからです。LINEギフトの売り場は、みんなで一緒に作り上げています。他の部署との関わりが多く、あまり垣根を作らずに仕事をしているので、コミュニケーションが得意な人は特に働きやすい環境だと思います!」
取材日:2024年6月28日
※本記事の内容は取材日時点のものです