LINEヤフーでは、さまざまな社員が働いています。「WHY? LINEヤフー」シリーズでは、社員の仕事内容や思いを通じて、LINEヤフーで働く魅力をお伝えしていきます。
今回登場するのは、Yahoo! JAPANアプリやトップページなどのメディアサービスでアナリストをつとめる奥村です。「データを扱う人間にとって恵まれた環境」「好きな仕事を続けていきたい」と語る現在の仕事について、印象に残っている案件や大切にしていること、やりがいや魅力について聞きました。
メディアカンパニーでスタートページ(※2)のサービス分析の仕事をしています。社内でもいろいろな分析チームがありアナリストがいますが、アナリストといっても実はいろいろなジャンルがあり、それぞれ仕事内容が違っています。私の場合は主に、Yahoo! JAPANアプリとPCのトップページ、スマホウェブのトップページの3つを担当しています。
※2 スタートページ:Yahoo! JAPANトップページ(PC、スマホウェブ)、Yahoo! JAPANアプリなど、インターネットの起点となるページを指す社内用語。
アナリストと聞くと分析をたくさんしていると思われがちですが、スタートページのサービス分析の業務内容はかなり特殊で職務が幅広いのが特徴です。もちろん分析業務もしますが、業務の大半は分析の前段階にあたる、分析を行うために必要な環境を構築したり運用したりする部分です。
具体的には、サービス全体やプロジェクト単位の日々の健康診断や、その健康診断を行うための環境構築・運用を定常業務としていて、加えて案件ベースの仕事があります。案件ベースの担当業務は、その案件の立案時から関わっていて、提案するための調査や分析を行ったり、効果を試算したりしています。
案件をいざやりましょうとなったら、今度はその仕様の詳細を決めるためにまた調査や分析をします。また、画面上のアクションをログに落とし日々分析しているのですが、そのログ設計や実際にログが正しく落ちているか確認するテスト作業も担当しています。
リリース後は、速報値を確認したり、効果を分析したり、案件の関係者が毎日KPIを自由に見られるように定常集計をして可視化したり、とにかく分析業務だけでなくログや数値に関わる幅広い業務を行っています。
7年前までYahoo!ショッピングでプロダクト企画職をしていたのですが、当時はログの集計や分析をする専門部署がなく、企画職の仕事の一つとしてやっていました。エンジニアとデザイナーの仕事以外は全部企画の仕事といった感じで業務が幅広く、企画のお仕事自体は楽しかったですし、やりがいもありましたが、企画職として得意なものや自信のあるものがないことに気が付きました。
キャリアプラン的に明確な強みがなくて大丈夫かなと思い、人から何が得意かと聞かれたときに答えられるようなものが欲しいと考えるようになりました。
これから長く仕事を続けていくためにもスキルを身に着けようと思い、業務の中で何が一番好きで得意になれそうかと考えたときに、ログを集計して分析することが楽しい仕事だと感じていたので、それを専門とするチームで仕事がしてみたいと思うようになりました。その当時ショッピングにはそのようなチームがなかったのですが、トップページに分析チームがあると知って、ジョブチェン制度に応募しました。
2019年頃にPCのYahoo! JAPANトップページをがらっと新しくしようという試みがありました。これまでちょっとしたモジュールの変更などはありましたが、大きくは変わっていなかったところを、若い人にも受け入れられるようなUI、UXにしようということで、ライブテストを何度か行いました。
その結果、全体を通してテストバージョンの新しいUIではいろいろな重要指標が下がってしまいました。PCトップは古くから使っているユーザーが多く、これまでのメインユーザーには受け入れられづらかったのです。結局、一部を少し改善しつつ極力元の形を維持することになりました(※3)。
※3 このとき、トップページは外側を変えず、中身のみの刷新となりました。この開発環境のアップデートについては以下のブログをご覧ください。
Yahoo! JAPAN トップページを Atomic Design と React・Redux・TypeScript で作り変えたお話
Yahoo! JAPANトップページの長い歴史を変える瞬間になりかけたけれど、分析した結果、逆に歴史の重みを感じることになりました。PCのYahoo! JAPANトップページユーザーはこういう人なんだという、データと印象がマッチしていました。
リニューアルという大きな決断をしようとしていたけれど、結果的に大きな変更ではなく最適な方法をとって今に至っています。これだけ多くのユーザーがいるサービスの方向性に、自分の分析が大きく影響しているという点にやりがいを感じ、印象に残っています。
特に大切にしているのは、誠実に仕事をすることです。この職種では自分たちの報告でサービスの方針などが変わってしまうこともありますし、数字って見せ方次第で誤解を与えたり、自分たちにいいように見せられたりするものでもあります。そういったことがあれば本当の意味での健康診断にならず、サービスに影響が出てしまいます。
例えば、先ほどお話したPCトップページの再構成のときも、本当はみんなすごくリリースしたかったですし、私もリリースできたらいいなと思っていましたが、いいところだけを切り取ってレビューするのではなく、ユーザーにとってまずいことが起きていることを誠実に報告して、悪い結果の報告も行いました。
サービスの分析では、みなさんががんばって案件を推進してくださっていることも知っているだけに、すごく肩入れしたい気持ちもありましたが、勇気をもって正しく報告することが大切だと思っています。
あとは、速さも重要ですね。日々、目まぐるしくいろいろなことが起きているなかで数字を求められるので、瞬時に決断する必要があることもありますし、例えば地震が起きたときなど、その影響はどれくらいだったかを翌日には報告する必要があります。
案件は常に複数同時に進めていますし、いろいろなところから声も掛かるので、優先順位を自分でつけて、優先度の高いものから着手しています。依頼された場合も、その重要性を見極めて、緊急性が高いものについては、今やっている作業を止めて優先して作業することも多いです。
まずは自分にとってやりたいと思えるデータ分析の仕事を追求できていることが大きいです。そのうえで、Yahoo! JAPANトップページはLINEヤフーの中でも大きくて、たくさんのユーザーに使っていただいているサービスです。
それだけ多くのトラフィックが集まるなか、ユーザーの行動を数字で見られて、大げさかもしれないですが、世の中の流れを分析できる材料が自分の手元にあることは、データを扱っている人間にとって恵まれた環境だと思います。サービスの特性上、時事的なものを扱うことが多いので、世の中の流れをデータで感じられるのがトップページで仕事をする醍醐味だと思います。
これからも、好きな仕事ができればいいなと思います。LINEヤフーになったことで、Yahoo! JAPANのユーザーも若い人たちが増えて、これからの時代の流れをより解像度高く見られるようになるんじゃないかと思います。今後新たな施策もどんどん行われてくると思いますし、引き続き忙しくなりそうではありますが、これからも誠実にお仕事に向き合いつつ、サービスに貢献できたらうれしいです。
取材日:2024年3月21日
※本記事の内容は取材日時点のものです。LINEヤフー株式会社の社内広報に掲載した記事を一部修正し再掲載しています