3月4日にタイのバンコクで開催された「LINE CONFERENCE THAILAND 2025」では、LINEのタイ現地法人であるLINE Company (Thailand) Limited (以下、LINE Thailand)が新たなサービスや事業戦略を発表しました。本記事では、LINE Thailandのリーダーたちが語ったサービスの詳細と今後のビジョン、また最高執行責任者からの今回のカンファレンスの意義と今後の展望をお届けします。
LINE Thailandについて
LINE Thailandは、2014年5月に設立されたLINEヤフーの子会社で、タイ市場に特化した事業を展開しています。コミュニケーション、コンテンツ、ライフスタイル、ビジネスソリューション、コマース、Fintechの6つの主要な領域を軸に、多様なサービスを提供しています。たとえば、日本でも人気の「LINEスタンプ」や「オープンチャット」、ニュース配信サービスの「LINE TODAY」、そしてタイ独自の着信音サービス「LINE MELODY」などがあります。
Jirat:
LINE GIFTは、LINEを通じて友だちに手軽にギフトを贈ることができるデジタルギフトサービスです。このサービスでは、LINEのトーク内で直接、友だちに人気ブランドのデジタルクーポンや商品を簡単にプレゼントできます。相手の住所がわからなくても、受け取る側が自分で住所を入力するため、安心してギフトを贈ることができます。また、以下の機能を提供予定です。
Norasit:
LINE HEALTHは、タイ全土のユーザーに向けたオンライン診療プラットフォームで、包括的なデジタルヘルスケアサービスの提供を目指しています。このサービスは、オンラインで患者と医療サービス事業者をつなぐことで、病院へのアクセスが難しい方々の悩みを解決します。たとえば、「病院から遠くに住んでいる」「病院に行く時間がない」といった状況をサポートし、迅速に医療サービスを受けられる環境を提供します。
LINE HEALTHは、医療と専門ヘルスケアサービスを提供する「Health At Work」とタイの大手医療保険各社をシームレスに統合し、ワンストップでの医療ソリューションを実現します。また、認定精神科医や心理学者とユーザーをつなぐオンラインメンタルヘルス相談サービス「OOCA」も利用可能です。さらに、ユーザーに最新の健康情報も提供します。
今年、IPXはタイ市場での影響力をさらに強化することを目指していきます。そのため、「Love The Earth」という新しいキャンペーンを導入し、人々により持続可能な生活を促すとともに、K-POPアーティストとのコラボレーションや新しいIPキャラクターの創出を通じて、より多くのファンを獲得していく予定です。
LINE WEBTOON
LINE WEBTOONは、多様な言語と文化に対応したコンテンツを提供する、世界中で利用されているウェブトゥーンプラットフォームです。
Southeast Asia WEBTOON責任者のKim Doyoungが、タイ市場における戦略を発表しました。
Southeast Asia WEBTOON責任者 Kim Doyoung
Doyoung:
LINE WEBTOONは、タイのクリエイターを積極的に支援し、ビジネスの「フライホイール効果」を推進していきます。フライホイールとは、成功事例を生み出しその勢いでさらに多くの成功を引き寄せる戦略です。
LINE WEBTOON THAILANDは、10年以上にわたりタイのオリジナルコンテンツを開発してきましたが、今後もユーザー数と収益の両面での成長を目指します。
Weera:
LINE Thailand は、タイの開発者や企業がより簡単にサービスを作成できるよう、新たな技術サービスと計画を発表します。これにより、LINEを利用する5,400万人のユーザーに、より便利で豊かなデジタル体験を提供していきたいと思っています。
1)LINE MINI APP
「LINE MINI APP」は、LINE上で独自のアプリを作成できるプラットフォームです。このプラットフォームを利用することで、ネイティブアプリ開発に伴う膨大な時間と開発リソースを大幅に軽減できます。
ユーザーはLINEアプリがあれば、他のアプリをダウンロードしたりログインしたりする必要がないため、企業はスムーズに自社のサービスを提供できます。また、「LINE MINIAPP Playground」を使えば、開発前にアイデアを試し、試行錯誤をしながら実現可能性を探ることができます。
2)LINE OAPLUS プラットフォーム
LINE Thailandは、「タイの人々に開かれたプラットフォームを提供する」というビジョンを掲げ、さらにサービスを拡大していきます。現在、外部の開発者がLINE上で新しいサービスやソリューションを構築できる「LINE OAPLUSプラットフォーム」のリリース準備を進めています。これにより、開発にかかるコストや時間の削減、企業や外部開発者がより効率的に動けるようになることを目的としています。また、このプラットフォームのリリース後は、ここから生まれたサービスを集めるマーケットプレイスも発展させていく予定です。