※ヤフー株式会社のコーポレートブログに掲載した記事を再掲載しています。
こんにちは、Yahoo! JAPANビッグデータレポートチームです。
2022年7月10日に「第26回参議院議員通常選挙(以後、参院選)」が行われます。改選125議席(比例代表50、選挙区74+神奈川区欠員補充1)をめぐって、前回2019年の参院選を大きく上回る542人の候補者が熱い選挙戦を繰り広げています。
ビッグデータレポートチームでは、これまでさまざまな国政選挙をビッグデータの観点から分析してきました。今回もビッグデータにもとづく選挙予測を行ってみましょう。
議席数予測は、過去予測と同様「投影モデル」をベースに実施しました。モデルの詳細は過去レポートをご参照ください。なお本レポートの予測は、2022年6月4日~7月4日のデータに基づいています。
また、今回は新党である参政党が話題を集めていますが、新党はそもそもモデルを作るためのデータがないため予測が困難です。今回は、過去の新政党のデータを参考に、コンバージョン(得票へのつながりやすさ)が高かった場合と低かった場合の2種類をシミュレーションしました。
まずは比例代表の議席数予測です。予測①は参政党のコンバージョンが過去の新政党を参考にして高水準だった場合、予測②は低かった場合のシミュレーションです。予測①の場合、自民党が1議席減らし、与党が改選議席数の半数を占める見込みです。主要政党では日本維新の会が増加、参政党が2議席を獲得する予測となっています。予測②だと与党の議席数は改選前と変わらず、参政党は1議席の見込みです。
資料:Yahoo!検索データ
改選議席は参議院ホームページ 会派別所属議員数(令和4年6月30日現在)より
続いて選挙区予測です。今回の選挙では前回の2019年参院選のように野党が一人区で候補者を一本化する動きはほぼ見られず、各党が候補者を擁立しての選挙戦となりました。
図2,3の地図は、議席獲得予測政党で色分けしたものです。与党は赤色、主要な野党は青色、諸派・無所属は白色で表しています。複数人区の色分けはトップ当選予測政党に合わせています。
全国集計したところ、予測①②ともに与党が議席数を伸ばす予測結果です。予測①のとおり、参政党のコンバージョンが新党として高水準だった場合は選挙区でも議席を獲得する見立てですが、予測②つまりコンバージョンが低かった場合には獲得には至らない予測です。
資料:Yahoo!検索データ
改選議席は参議院ホームページ 会派別所属議員数(令和4年6月30日現在)より
資料:Yahoo!検索データ
改選議席は参議院ホームページ 会派別所属議員数(令和4年6月30日現在)より
比例代表と選挙区の予測を合計すると、予測①②のいずれでも改選前と比べて与党が議席を増やす見立てとなりました。野党が苦戦するなか、日本維新の会は議席数を増やす予測となっています。
資料:Yahoo!検索データ
改選議席は参議院ホームページ 会派別所属議員数(令和4年6月30日現在)より
改選議席の予測値と非改選議席を含めた参議院の議席予測では、与党が約60%を占める予測です。
資料:Yahoo!検索データ
改選議席は参議院ホームページ 会派別所属議員数(令和4年6月30日現在)より。欠員は他に含む
目まぐるしく動く政局の中、ビッグデータ予測にも従来のモデルとは異なる傾向が現れてくるかもしれません。選挙後、改めて検証を行う予定です。
また、続報ではヤフーが寄附講座を実施している慶應義塾大学(全学共通。湘南藤沢キャンパス(SFC)で開催)の学生による予測も発表できる予定です。合わせてお楽しみください。
今後ともYahoo! JAPANビッグデータレポートをよろしくお願いします。
文・図/Yahoo! JAPANビッグデータレポートチーム