DXを、LINEでもっと身近に。中小企業や地域の可能性をひらく「カスタマーグロースコンソーシアム」発足

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カスタマーグロースコンソーシアムの参画企業メンバーが、「LINEで実現する、中小企業の事業成長と地域経済の活性化」と書かれたパネルを持って並ぶ集合写真。

いつものお店の予約や会員証、お得な情報の受け取りが、使い慣れたLINEの中で完結する。
そんな便利さを、大企業だけでなく、地域のお店や中小企業にも広げていくには、何が必要なのでしょうか。

2026年7月22日、LINEヤフーはパートナー企業13社とともに「カスタマーグロースコンソーシアム」を発足しました。

目指すのは、規模や地域、デジタルに関する知識の差にかかわらず、お店や企業がお客さまとの接点を持ち、関係を育てられる環境の構築です。その実現に向けて、開発、運用、集客など、異なる強みを持つ企業が一つのチームとして動き始めます。

なぜ、LINEヤフーだけで進めるのではなく、パートナー企業とともに取り組むのか。責任者の二人が発足会で語った思いと、新たな挑戦の背景を紹介します。

日本企業の99.7%。中小企業が持つ可能性

日本企業の99.7%を占める中小企業。その可能性を広げるために、LINEヤフーは何を目指しているのでしょうか。発足会の冒頭には、LINEヤフー執行役員の古賀千尋が登壇しました。

LINEヤフー執行役員の古賀千尋が、カスタマーグロースコンソーシアム発足会のステージで説明している様子。

LINEヤフー株式会社 執行役員 コーポレートビジネスドメイン 経営企画・事業開発SBUリード 古賀千尋

LINEヤフーはライフプラットフォームを掲げ、情報収集、買い物、予約、支払い、コミュニケーションなど、生活のさまざまな場面をLINEを通じて便利で豊かにすることを目指しています。

LINEヤフーが目指すライフプラットフォームの概念図。朝から夜まで、情報収集や買い物、仕事、コミュニケーションなど生活の接点を24時間365日支え、地域や中小企業の成長につなげる構想を示している。

一方で、その実現に欠かせないのが、地域に根ざした企業や、生活者に近い中小企業との取り組みです。

古賀は発足への思いについて、次のように語ります。

「私たちの日常を支えているのは、大企業のサービスだけではありません。
いつも通う飲食店や美容室、地域で長く愛されている会社など、一人ひとりのお客さまと向き合う中小企業の皆さんが、暮らしと地域経済を支えています。
そうした企業にもデジタルの利便性を無理なく届けることが、LINEヤフーの目指すライフプラットフォームには欠かせないと考えています」

中小企業は、日本企業の99.7%※を占めます。地域のお客さまと強い関係を築き、それぞれの地域で暮らしや経済を支える存在。その可能性を広げることが、今回の取り組みの出発点です。

※中小企業庁「2025年 中小企業施策について」より。

カスタマーグロースコンソーシアム発足会の会場で、多くの参加者がスクリーンを使ったプレゼンテーションを聞いている様子。

コスト、リテラシー、運用。デジタル活用を阻む「3つの壁」

地域に根ざした中小企業には大きな可能性があります。しかし、その価値をデジタル上のお客さまとのつながりや継続的なコミュニケーションに十分生かし切れていない企業も少なくありません。

続いて登壇したLINEヤフーマーケティング代表取締役社長の佐藤瑛実は、中小企業が直面する課題として、三つの壁を挙げました。

LINEヤフーマーケティング代表取締役社長の佐藤瑛実が、発足会のステージで中小企業のデジタル活用における課題を説明している様子。

LINEヤフー株式会社 コーポレートビジネスドメイン カスタマーグロースSBUリード/LINEヤフーマーケティング株式会社 代表取締役社長 佐藤瑛実

一つ目は、導入にいくら必要なのかが分かりにくく、高額に感じられる「コストの壁」。二つ目は、自社に合うサービスや使い方を判断しにくい「リテラシーの壁」。三つ目は、導入できても人手不足により日々の活用や改善まで手が回らない「運用の壁」です。※

※中小企業庁「2025年版 中小企業白書」より。

佐藤は、中小企業と向き合う中で痛感してきた課題と、その解決策について語りました。

「中小企業の皆さんとお話しすると、『デジタルを活用したくない』のではなく、『何から始めればいいか分からない』『始めた後に運用できる人がいない』という声を多く聞きます。私たちが届けたいのは、決して難しいDXではありません。今日から持てる顧客接点をつくり、お客さまとの関係を少しずつ積み上げられる状態です」

さらに佐藤は、課題は中小企業だけではなく、支援する企業側にもあると話します。

「この壁は、企業側の努力だけで越えられるものではありません。支援する企業にも、開発、営業、広告、運用など、それぞれの得意領域があります。一社だけですべてを担おうとすれば、支援できる地域や企業の数には限界があります」

こうした課題を解決するために発足したのが、今回のカスタマーグロースコンソーシアムです。

「LINEで実現する、中小企業の事業成長と地域経済の活性化」を掲げる、カスタマーグロースコンソーシアムのタイトル画像。

LINEヤフーだけでは届かない。だから、強みを持ち寄る

カスタマーグロースコンソーシアムの特徴は、LINEヤフー一社で課題解決を目指すのではなく、異なる強みを持つパートナー企業と連携することです。

古賀は、「真に実効性のある価値を広く届けるためには、営業、開発、運用などの強みを持つパートナーとの連携が欠かせない」と語ります。

「LINEヤフーがサービスや仕組みを用意するだけでは、日本中の企業に価値を届けることはできません。地域や業界をよく知り、企業のすぐそばで課題に向き合っているパートナーの皆さんがいるからこそ、技術を実際に使える形にできます。発注先と提供元という関係ではなく、同じ世界を一緒に目指す仲間として進みたいと思っています」

システムやサービスをつくる開発力、LINE公式アカウントなどを継続的に活用する運用力、新しいお客さまとの出会いを生む集客力、地域企業とのネットワーク。そして、LINEヤフーが持つマーケティング基盤。それぞれの強みを組み合わせ、中小企業が相談しやすく、導入しやすく、成果につなげやすい環境をつくります。

LINEヤフーのマーケティング基盤、開発力を持つテクノロジーパートナー、地域企業とのネットワーク、導入・運用を支えるパートナーが連携し、中小企業の顧客成長を支援する体制図。

コンソーシアムでは、開発、導入・運用、集客など、それぞれ異なる強みを持つ企業が役割を分担します。

Technology Partner(技術パートナー)は、LINEミニアプリのパッケージ提供や個別開発を通じて、企業の課題に合ったサービスや機能を提供します。Sales Partner(セールスパートナー)は、LINE公式アカウントやLINEミニアプリを導入する企業に伴走し、導入後の運用まで支援します。

LINEヤフーは、各サービスと企業のマッチングやプロモーション、事例の共有などを通じて、取り組み全体を後押しします。

カスタマーグロースコンソーシアムの参画企業メンバーが、発足会のステージで木づちを手に鏡開きを行っている様子。

発足会の最後には、参画企業のメンバーがステージに集まり、コンソーシアムの門出を祝って鏡開きを行いました。

LINEミニアプリから広がる可能性

中小企業がデジタル活用を始めるうえで、入口として期待されているのが、LINE公式アカウントとLINEミニアプリです。佐藤は、その理由を次のように説明します。

「独自アプリの開発や利用促進に大きな費用と手間をかけることが難しい企業でも、日頃から使われているLINE上であれば、比較的始めやすくなります。LINE公式アカウントを組み合わせることで、一度利用したお客さまと、その後もコミュニケーションを続けることができます」

ダウンロード不要で利用できるLINEミニアプリが、中小企業の顧客接点になることを示した図。サービスリリース数は3万3,000件以上、月間利用者数は2,897万人以上で、前年に比べそれぞれ157.1%、199.9%に増加している。

LINEミニアプリは、新たなアプリをダウンロードすることなく、LINEの中でサービスを利用できる仕組みです。会員証や予約、順番待ち、キャンペーン、簡易的なECなど、企業の目的に応じてさまざまな機能を提供できます。

さらに佐藤は、LINEミニアプリは現在の顧客とのつながりだけでなく、AI時代のサービスの土台にもなると期待を語りました。

「将来は、AIが問い合わせへの対応、情報提供、予約、購入、その後の提案までを、より自然につないでいくことも想定しています。そのときにも土台となるのは、企業がお客さまと継続的な接点を持っていることです」

実装されて初めて、市場になるコンソーシアム

コンソーシアムが大切にしている言葉が、「実装されて初めて、市場になる」です。

佐藤は、この取り組みの目的について次のように語ります。

「完成された答えを持っている企業だけに参加してほしいわけではありません。地域の企業が抱える課題を知っている、運用に強い、技術で新しい体験をつくれるなど、それぞれの強みを持ち寄ってほしいと思っています。一社では越えられなかった壁を、皆さんと一緒に越えていきたいです」

具体的には、三つの壁に対して、それぞれ次のような解決策を準備しています。

一つ目は「コストの壁」です。これまで同様の取り組みには、初期費用が百万円以上になるケースがありました。このような「コストの壁」に対しては、月額5万円程度から始められるパッケージをパートナー各社にご用意いただく予定です。

二つ目は、自社に合ったサービスや活用方法を判断しにくい「リテラシーの壁」です。この課題に対しては、難しい要件定義や専門知識がなくても導入できるよう、目的別のテンプレートや具体的な活用方法を整備します。

三つ目は、導入後の活用や改善まで手が回らない「運用の壁」です。優れた技術や構想があっても、地域の企業が実際に導入し、継続的に活用できなければ、お客さまの体験は変わりません。そこで、専任担当者がいなくても継続して活用できるよう、導入後の運用まで、パートナー各社が支え、改善しながら成果につながる体制を目指しています。

コスト、リテラシー、運用という3つの壁を、低コストでの導入、テンプレートによる活用支援、パートナー各社による継続運用で解決し、中小企業の顧客成長につなげる構想図。

佐藤は、今後のスケジュールや目標について力強く語り、発足会は幕を閉じました。

「今年度は、まず中小企業にとって実感のある成功事例をつくることに力を注ぎます。その後、パートナー間の連携をさらに強め、2028年度中には、LINE公式アカウントとLINEミニアプリを組み合わせた顧客成長モデルを5万件の企業へ展開することを目指します」

2026年度に成功体験を創出し、2027年度にパートナー連携と導入体制を強化、2028年度に地域企業へ展開して5万件の導入を目指すロードマップ。中小企業がLINEを活用して顧客とつながる基盤の実現を描いている。

暮らしを支える中小企業や地域のお店とお客さまの関係が、もっと近く、もっと豊かになる。その変化を日本中に届けるための挑戦が始まりました。最後に、二人に発足会を経てのコメントをもらいました。

LINEヤフー執行役員の古賀千尋のプロフィール写真。
古賀千尋(こが ちひろ)
LINEヤフー株式会社 執行役員 コーポレートビジネスドメイン 経営企画・事業開発SBUリード
2014年LINE(現LINEヤフー)入社。コーポレートビジネス領域において、経営企画・事業開発を含むビジネスオペレーション全体を統括。全社横断の戦略も推進している。

――発足会を終え、パートナーの皆さんの反応で特に印象に残ったことを教えてください。

発足会や懇親会では、多くのパートナーの皆さまと直接お話しする機会がありました。特に印象的だったのは、パートナー企業同士の会話が非常に盛り上がっていたことです。中小企業支援や地域に根ざした取り組みという共通のテーマで自然と議論が生まれ、その熱量が次の企画や機能開発、新たな構想へとつながっていく可能性を感じました。この流れを具体的な取り組みや成功事例につなげていけるよう、パートナーの皆さまと一緒に形にしていきたいと思っています。

――この取り組みが広がった先で、地域のお店や生活者の日常をどのように変えたいですか。

地域のお店や生活者、そして地域を支えるパートナー企業とLINEヤフーが、それぞれの強みを生かしながら、より近い存在になっていければと考えています。地域のアイデアが形になり、売上の拡大や雇用の創出につながるなど、地域経済の活性化にも貢献したいです。
そして生活者の皆さまには、お気に入りのお店や商品とより身近につながり、地域ならではの魅力に触れる機会が増えることで、日常が少しでも豊かになればうれしく思います。

LINEヤフーマーケティング代表取締役社長の佐藤瑛実のプロフィール写真。
佐藤瑛実(さとう えみ)
LINEヤフー株式会社 コーポレートビジネスドメイン カスタマーグロースSBUリード/LINEヤフーマーケティング株式会社 代表取締役社長
2015年LINE(現LINEヤフー)入社。コーポレートビジネス領域において、B2BマーケティングとSMBセールスを統括。

――中小企業の皆さんと向き合ってきた中で、このコンソーシアムが必要だと強く感じた具体的な出来事や声を教えてください。

私たちはこれまで、事例や活用方法を発信したり、イベントを開催したりと、さまざまな形で中小企業の皆さまを支援してきました。それでも、「自社では何から始めればいいのか」「複数のサービスをどう組み合わせればいいのか」「導入後は誰が伴走してくれるのか」といった声を多くいただきます。
情報やサービスを用意するだけではなく、それぞれの企業の状況に応じて「まずここから始めましょう」と寄り添い、時間やリテラシーの壁を一緒に越えていく支援が必要だと実感しました。だからこそ、LINEヤフーだけですべてを担うのではなく、それぞれ異なる強みを持つ企業が「このお客さまに何が必要か」を起点につながる仕組みとして、このコンソーシアムを立ち上げました。これは中小企業のDXを支援すると同時に、私たち提供する側の発想も変えていく取り組みだと考えています。

――現在参画しているパートナー企業には、どのような役割を果たしてほしいですか。また、各社との連携を通じて、中小企業や地域にどのような変化を生み出したいですか。

私がパートナーの皆さまに期待しているのは、単なる役割分担ではありません。それぞれが持つ専門性や地域で培った知見を持ち寄り、一社だけではつくれない成功モデルを一緒につくっていくことです。
地域ごと、企業ごとに課題は異なるからこそ、「この企業の成長のために何が必要か」という視点でサービスや支援を組み合わせることが大切だと考えています。そして、コンソーシアムで生まれた成功事例を一社だけのものにせず、他の企業や地域にも広げていきたい。LINEヤフーは、その知見をつなぎ、各社の強みが最大限発揮される環境をつくる役割を担っていきます。
そうした取り組みを通じて、「どの地域にいるか」「社内にデジタルの専門人材がいるか」によって成長機会に大きな差が生まれない社会を実現していきたいと考えています。

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取材日:2026年7月22日
編集:LINEヤフーストーリー編集部 撮影:日比谷 好信
※本記事の内容は取材日時点のものです

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