その広告、ホンモノ? 「SNS型投資詐欺」の手口と対策

コーポレート
「その広告、ホンモノ?『SNS型投資詐欺』の手口と対策 #サイバーセキュリティ月間」と書かれた啓発バナー。画面左側には指を伸ばして何かを指し示している人物の手が写っている。右側には人の頭部シルエットがあり、顔の部分がデジタルノイズのように崩れ、その中央に赤い吹き出し型の枠で「FAKE」と表示されている。

「今年もうかる株はこれ!」「今がチャンス」などと書かれたきらびやかな広告。SNSや動画サイトで目にする人も多いのではないでしょうか。著名人やキャラクターの画像を無断使用し、目を引こうとする手口も横行しています。

クリックしてしまうと、サクラが待ち構えるグループトーク(グループチャット)などへ誘導され、数百万円~数千万円といった大金をだまし取られるケースも。
目立つ広告につられて、ついついのぞいてみたくなってしまいそうですが、一度足を踏み入れてしまうと詐欺を見抜くのは困難。
本記事ではその巧妙な手口とともに、被害に遭わないために知っておきたいポイントや、怪しいと感じたときの対処法についてご紹介します。

ワトソンの写真
ワトソン アリサ
LINEドメイン メッセンジャーSBU LINE不正対策ディビジョン
ソンウンの写真
崔 誠云(チェ ソンウン)
セキュリティCBU セキュリティエンジニアリングユニット T&Sディビジョン
Yahoo!ファイナンス担当者のイラスト
Yahoo!ファイナンス担当者
投資やマネーの総合情報サイト「Yahoo!ファイナンス」の不正対策・監視担当者
※業務の安全管理上の観点から匿名としています
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佐川 英美(さがわ ひでみ)
政策企画CBU 渉外安全対策ユニット

巧妙化する手口

――昨今、SNSを悪用した投資詐欺の被害が増えているようです。著名人の画像を無断で使用した「なりすまし広告」などもよく耳にしますが、実際にはどのような手口が多いのでしょうか。

「認知状況の推移」と題された棒グラフと折れ線グラフの複合グラフである。横軸は1月から12月までの月別、左の縦軸は認知件数(件)で最大1,500件、右の縦軸は被害額(億円)で最大250.0億円を示している。

SNS型投資詐欺の認知件数・被害額(警察庁発表資料より)

佐川の写真

警察の公表資料を拝見すると、SNS上の広告や投稿をきっかけに、ダイレクトメッセージやグループトークに誘導されるケースが増えているようです。

グループトークを悪用するケースでは、その中にいるサクラが、投資でもうかったことを示す偽画像を投稿して信じ込ませ、その後、偽の投資アプリや投資サイトによりお金をだまし取る手口もあるそうです。
最初は少額から始めた方も、偽の管理画面上で資産が増えていくのを見てのめりこんでしまう方もいるようです。

SNS型投資詐欺の手口を6つのステップで示したスマートフォン画面風のイラスト。

手口の一例(警察庁「特殊詐欺対策ページ」より)

Yahoo!ファイナンス担当者のイラスト

「Yahoo!ファイナンス」にはユーザー同士で情報交換できる掲示板があり、多くの情報が寄せられています。
その掲示板に「もうかる株」や「投資の極意」を教えるなどと言ってLINE IDを書き込み、LINEで検索するよう誘導する詐欺手口が多く、LINE担当者と連携して対策を行っています。

――具体的にはどんな対策を?

Yahoo!ファイナンス担当者のイラスト

掲示板上の疑わしい書き込みについては人の目による24時間のモニタリング・削除と、AIによる自動検知を行っています。
また、外部サイトへの誘導など規約違反の書き込みについては、ユーザーからも違反報告をあげていただくよう告知しているのと、リンク先へ遷移する手前で注意喚起を行っています。

ただ、以前までは文章が不自然だったり、ワンパターンなものが多かったのですが、ここ最近はAIを駆使して自然な文章になっていたり、パターンも複雑化しています。担当者ですら文章を最後まで読まないと見抜けないほど巧妙化しているものもあるんです。

――ユーザーはどのような点に気を付ければいいでしょうか。

Yahoo!ファイナンス担当者のイラスト

とにかく、そういう一方的な「もうけ話がある」という情報に近づかないことです。投資はリスクを伴うものであり、おいしい話には裏があるはずです。

もしどうしても書き込まれた内容が気になるのでしたら、まず投稿者がどういう人かを確認していただければと思います。
投稿者の表示名をタップすると、その人の過去の投稿が一覧表示されます。どの投稿も同じような内容であれば、そのために作られたアカウントだとわかりますし、信用に足る人物かどうかある程度判断できるのではないかと思います。

SNSのコメント欄と投稿コメント一覧画面を並べて示したイラストである。左側は投稿に対するコメント欄の画面で、「Takesh*****」が「久しぶりに良い決算だった。これなら期待できそう。」と投稿している。その下に「Toushisuruzo」というアカウントが「LINEでDMくれればとっておきの情報教えますよ。LINE ID『』です。」と書き込んでいる。

投稿コメント一覧の表示方法

――掲示板に限らず、インターネット上で投資関連の広告や勧誘を目にした場合、なにをもって危険かどうかを判断すればいいでしょうか。

佐川の写真

投資詐欺の場合、投資を勧めるサイトへ誘導後、ダイレクトメッセージやLINEのグループトークなどへ誘い込む手口が多くなっていますので、とにかくお金に関する話題で知らない人とつながるのは危険だと考えてほしいです。

「2026年」「この10銘柄が急騰します!」「↑」「1秒でも早く買え!」「〇〇が〇〇の買収内定!?」と大きく書かれた投資系広告バナー。

詐欺広告のイメージ(AIによる生成)

覚えてほしいポイント:
犯罪者もAIを駆使して手口が巧妙に。投資関連の怪しい広告や「もうけ話」に安易に近づかない。投資やお金に関する話題で知らない人とつながるのはとにかく危険。

「相談させない」は詐欺の証拠

――数ある連絡手段の中で、なぜLINEが悪用されやすいのでしょうか。

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LINEは日本国内で多くの方に身近な連絡手段としてご利用いただいており、その利用の広がりに伴い、犯罪に悪用されるケースがあります。
知らない人とLINE上で友だちになる前に詐欺の可能性に気付いてもらえるよう、注意喚起のメッセージを表示するなど、被害を未然に防ぐ対策を行っています。

――LINEで友だち登録を行い、個別のトークに引き込まれてしまうと、警告を発するのは難しいのでしょうか。

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個別のトークやグループトークに移行した場合、やりとりの内容そのものから個別に警告を出すことは難しいです。LINEではユーザーのプライバシーを守るためにトーク内容を暗号化しており、私たちはメッセージの中身を確認できないためです。

もちろん、詐欺や悪質行為に対する検知技術や対応の強化は重要課題と捉えており、例えば初めての相手からメッセージを受けた場合など、状況に応じた注意喚起は行っています。
また不審なアカウントを通報できる機能を設けており、寄せられた情報をもとに調査や対応を進めています。ユーザーからの通報は悪質アカウントの特定や対処を行う上で大きな助けになります。少しでも不審に感じた場合はぜひ通報機能をご利用いただけると幸いです。

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通報というと大げさに聞こえるかもしれませんが、通報した相手にそれを知られることはないですし、警察に連絡が行ったりすることもありません。
LINE上からの通報は、あくまで私たちが対応を行うために必要最低限のデータが、ユーザーの同意のもと提供されるものです。もし通報が間違っていても、私たちがしっかり調べて必要な場合にのみ対処しますのでご安心ください。

――具体的にはどのように通報すればいいですか?

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詐欺が疑われるメッセージなど、怪しいと思うメッセージを受け取った場合はそのメッセージを長押しして通報してください。
特定の怪しいメッセージがない場合は、トークルームの「設定」やそのユーザーのプロフィールからも通報できます。詳しくはこのページをご覧ください。

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それと、もちろん怪しいと思ったら通報していただきたいのですが、詐欺に遭う人は怪しいと思っていないからこそ被害に遭ってしまうんですよね。だからこそ、どんな点に気を付けるべきかを知っておくことが重要だと思います。

一度接触してしまうとその先のパターンは無数にあるので、先ほどYahoo!ファイナンスの担当者も話していたように、とにかく投資関連の広告や書き込みには近づかないことです。そして、もし接触してしまったとしても、お金を振り込む話が出たら一度立ち止まって詐欺を疑ってください。

――今回のサイバーセキュリティ特集では「ロマンス詐欺」も取り上げていますが、お金の話が出たら一度立ち止まることや周囲に相談することの大切さは共通のようですね。

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その通りです。しかし犯罪者側は周囲に相談されることを最も恐れますので、ターゲットをとにかく孤立させようとします。そのため、さまざまな口実で家族や友人には相談しないように仕向けてくるのです。それこそが詐欺の証なので、覚えておいてください。

もし周囲に相談しづらければAIに相談するのも一つの手です。それと、このページでも投資詐欺の事例を紹介しているのでぜひ参考にしてください。
「最近こういう詐欺が増えているから気を付けよう」と、家族にURLを送っていただくだけでもうれしいです。

「投資詐欺にご注意を!」と大きく白文字で書かれた緑色背景の啓発イラストである。中央にはスマートフォンのメッセージ画面風の枠があり、「有望案件を皆さんだけにご紹介」「投資クラスにようこそ。」「収益アッププランへの加入は今日まで。」といった勧誘メッセージが吹き出しで表示されている。

覚えてほしいポイント:
お金を振り込む話が出たら一度立ち止まって相談を。相談しないよう仕向けてくるのは詐欺の証拠。

LINEを安心して使っていただくためにも

――詐欺対策を進めるうえでのみなさんの思いを教えてください。

Yahoo!ファイナンス担当者ノイラスト

Yahoo!ファイナンスでは、個人投資家のみさなまに有益な情報提供を行うとともに、サービス自体が詐欺の入口として悪用されないよう意識しています。
LINEサービスの担当者とも情報共有し合いながら、ユーザーが犯罪に巻き込まれることのないよう、しっかりと対策を進めていきたいと思います。

ソンウンの写真

詐欺対策に取り組むうえで私たちが大切にしているのは、「安心」と「プライバシー」の両立です。やり取りの秘密を守りながらも、AIなどの技術を活用してリスクを早期に察知し、被害を未然に防ぐ取り組みを強化しています。
安心してLINEを使っていただける環境を守ることは私たちの責任です。これからも対策を進化させ続けていきます。

ワトソンの写真

詐欺は人によって引っ掛かるポイントが違うと感じています。このパターンではだまされなくても別のパターンでだまされたり、あるいは年齢や性別によっても気を付けるべき点は変わってきます。
だからこそ、誰にとってもわかりやすいメッセージや注意喚起を心掛けながら、対策を進めていきたいと考えています。

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LINEヤフーでは、普段から他社や関連省庁、教育機関などさまざまな外部機関と意見交換や連携を行っています。一つの側面だけでは見えない課題も、立場の違う人たちと話すことで気付けることもあります。
これからも最新動向を注視し、弊社サービスやインターネット空間全体の安全を守れるよう取り組んでいきたいと思います。

これだけは覚えてほしい SNS型投資詐欺への対策

1)投資関連の怪しい広告や「もうけ話」に近づかない
犯罪者もAIを駆使して手口が巧妙に。投資関連の怪しい広告や「もうけ話」に安易に近づかない。投資やお金に関する話題で知らない人とつながるのはとにかく危険。
2)振り込む話が出たら立ち止まる
お金を振り込む話が出たら一度立ち止まって相談を。誰にも相談しないよう仕向けてくるのは詐欺の証拠。

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取材日:2026年1月7日、28日
文:LINEヤフー社内広報編集部
※本記事の内容は取材日時点のものです

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