その電話、本当に警察? 専門家に聞く、「ニセ警察詐欺」の手口と対策

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警察庁の青田さんの写真。グレーのジャケットに淡い紫色のブラウスを着ている。背景は青い壁で、左上に「その電話、本当に警察? #サイバーセキュリティ月間」、左下に「LINEヤフー ストーリー」と白い文字が表示されている。

「警察の者ですが...」。
そう言われた瞬間、多くの方は身に覚えがなくても、ちょっと動揺してしまうのではないでしょうか。近年急増している「ニセ警察詐欺」は、高齢者だけでなくスマートフォンに慣れた若い世代にも広がっており、誰にとっても他人事ではありません。
実際に電話を受けてしまったら、どう行動すればいいのでしょうか? 警察庁の青田さんに、その手口と対策についてうかがいました。

青田さんの写真
青田 智子(あおた ともこ)さん
警察庁警視
警察庁 刑事局組織犯罪対策部 組織犯罪対策第二課 兼生活安全局生活安全企画課 課長補佐

「警察です」という電話を受けたら、まずはいったん切る

――「警察です」という電話を受けたとき、多くの方は冷静でいられなくなりそうです。「まずこれだけは!」という対策を教えてください。

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いったんその電話を切ってください。

――えっ?

青田さんの写真

はい。もし「警察です」という電話を受けたときは、所属と担当者を聞いたら「一度切って折り返します」と伝えて、いったん切っていただいて大丈夫です。

――ただ、警察の方から電話がかかってくることも実際にありますよね...?

青田さんの写真

そうですね。警察官が業務上、若い方のスマートフォンに電話をすること自体は業務上、あります。

たとえば、落とし物をされた場合に、その連絡として電話を差し上げることがあります。
また、ご家族が事故に遭われるなど、事件や事故にご親族の方が巻き込まれたケースで、連絡を取ることも考えられます。

――「警察です。ご家族が事故に遭いました」と言われた場合でも、いったん電話を切って確認してもよいのでしょうか?

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はい。いったん電話を切ってからかけ直していただいて問題ありません。
ただ、かかってきた番号に折り返すと、もし詐欺だった場合、再び犯人と話してしまう可能性がありますので、ご自分で調べた上で折り返していただき、わからない場合は最寄りの警察署や、警察相談専用ダイヤル「#9110」に連絡してください。

仮に本当に警察からの連絡だったとしても、電話を切ったことで不利になることはありませんし、違う警察署や他の県警の案件だとしても、警察のネットワークを通じて確認できますのでご安心ください。

警察庁の青田さんのバストショット。青田さんは黒髪のショートヘアで、グレーのジャケットに淡い紫色のブラウスを着ている。やや下を向きながら口を開いており、話している様子。

覚えてほしいポイント:
「警察です」という電話を受けたら、まずはいったん切る

警察官を名乗る詐欺は、こうやって始まる

――警察官を名乗る詐欺は、どのような入り口から始まることが多いのでしょうか?

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実は、最初から警察を名乗るとは限りません。通信事業者などをかたって電話がかかってくるケースもあります。
たとえば、「携帯電話の料金が未納で、このままだと止まります」「あなた名義の携帯電話から、迷惑メールが大量に送信されています」といった内容で、不安をあおってきます。

「身に覚えがないのに、自分の情報が悪用されているのでは」と焦らせたうえで、話の途中から警察を名乗る人物が登場する。こうした流れは、実際によく見られるパターンです。
また、自動音声で「1を押してください」など操作を促され「警察に転送します」と案内されるケースもありますが、こうした流れ自体、ありえません。

料金の未納や通信トラブルを理由に、警察がいきなり捜査に乗り出すことはありません。
切ってしまったことで、携帯電話が使えなくなるなどの不利益が生じることもありませんので、「警察に転送します」と言われた時点で、詐欺だと考えて電話を切ってください。

――もし本当に警察が関わるような事案だった場合、電話で詳しい説明がされることはあるのでしょうか?

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仮に捜査で令状による捜索を行い、その方名義の通帳などが見つかった場合でも、電話で「逮捕する」「容疑がかかっている」といった説明をすることはありません。
本当に逮捕の容疑がある場合は、何も言わずに警察官がご本人のもとに出向きます。

電話で「逮捕状が出ている」「令状がある」といった言葉が出た時点で、それは詐欺だと考えて間違いありません。

――お金の話が出ない、警察をかたった詐欺が他にも起きているそうですね。

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最近では、金銭的な被害に限らず、性的な被害につながるケースも確認されています。
たとえば、「欺犯があなたは詐欺の共犯だと供述しており、身体の特徴を確認する必要がある」などと言い、ビデオ通話で服を脱がせた映像を送らせようとする手口です。こうした言葉が出た時点で、すぐに通話を切ってください。

また、犯人側は「電話を切らせない」ことをとても重視しています。「今すぐ」「時間がない」といった言葉で不安をあおり、考える余裕を奪おうとしますので、できるだけ早く切っていただきたいと思います。

警察庁の青田さんの上半身ショット。正面を向き、口を閉じてやや控えめな表情をしている。両手を前に出してテーブルの上に置いている。

覚えてほしいポイント:
「警察に転送します」「逮捕状が出ている」「あなたは詐欺の共犯だ」「身体の特徴を確認する必要がある」などの言葉が出たら詐欺

本物の警察が「絶対にしない」行動

――では、もし電話をすぐに切れなかった場合、次に身を守るタイミングはどこになりますか?

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次のタイミングとしては、途中でLINEなどのSNSに誘導された時点で、切ってください。警察が捜査や取り調べのためにLINEに誘導することはありえません。
さらに、SNS上でやりとりを続けると、ビデオ通話に誘導されるケースが多くあります。その時点で、もう間違いなく詐欺なのでビデオ通話は絶対に使わないでください。

LINEの場合、条件によっては注意喚起が表示されることもありますので、「あれ?」と感じた瞬間に切ることが大切です。

――ビデオ通話の前に切れたとしても、LINEのアカウントだけはつながったまま、というケースもありそうです。その場合はどうすればよいでしょうか。

青田さんの写真

一番望ましいのは、「ブロック」「通報」「警察への相談」この3つをセットで行うことです。
まず、相手をブロックしてください。あわせて、LINE上で通報することも有効です。そして、被害が発生していない場合でも、警察に相談していただきたいと思います。

そのアカウントが詐欺に使われていることを警察に伝えていただくことで、次の被害を防ぐことにもつながります。このような情報はLINEヤフーさんとも共有しながら、対策を進めています。

警察庁の青田さんのバストショット。青田さんは黒髪のショートヘアで、グレーのジャケットに淡い紫色のブラウスを着ている。やや右方向を向いて笑顔を見せている。

覚えてほしいポイント:
LINEやビデオ通話に誘導されたら詐欺

1人で対応しない 事前の対策も有効

――家族や周囲の人に、他には何を伝えておくとよいでしょうか。

青田さんの写真

警察から電話が来たら、とにかくいったん切っていただきたいのですが、もう一つ大事なのは、1人で対応しないことです。
ニセ警察詐欺では、「誰にも言うな」「守秘義務がある」と言って、周囲に相談させないようにします。ですが、本物の警察が他の方への相談を止めることは絶対にありません。

「警察からって言われたら、すぐ誰かに伝えてね」
この一言を、家族や身近な人と共有しておくことが大切です。

――1人暮らしなど、すぐ相談できる相手が近くにいない場合はどうすればよいでしょうか。

青田さんの写真

電話を「切る」ことに加えて、国際電話や詐欺電話をブロックするなど、事前に「届かない環境」を作っておくことも有効だと思います。

たとえば、
・国際電話の着信を止めるサービス
・詐欺電話を警告・ブロックするアプリ
こうしたツールを使えば、判断する前の段階で被害を防ぐことができます。
また、高齢のご家族が固定電話を使っている場合には、国際電話を止めるための手続きをしておく、防犯機能付きの電話機を活用するなども、事前の対策になります。

最後に、警察官をかたった詐欺に限らずサイバーセキュリティの観点でも、「相手の名乗りをうのみにせず、自分で確認する」というのは、とても大事な考え方です。
たとえ「警察です」と言われたとしても、顔の見えない相手の言葉をそのまま信じずに電話を切っていただき、確認していただきたいと思います。

警察庁の青田さんの横顔ショット。軽く笑みを浮かべながら話している様子。背景は右側が青い壁、左側は白く明るい窓辺で、光が強く差し込んでいる。

覚えてほしいポイント:
「警察です」と言われたら、すぐ家族や周りの誰かに伝える

国際電話を止めたる具体的な設定方法は、以下の公式サイトで確認できます。
1)固定電話:国際電話不取扱受付センター
https://www.kokusai-teishi.com/

これだけは覚えてほしい 警察官を名乗る電話への3つの対策

1) 「警察です」という電話は、いったん切っていい
折り返さず、最寄りの警察署や「#9110」に相談を
2) LINE・ビデオ通話・アプリの話が出たら詐欺
警察は絶対しない:LINEやSNSで捜査や取り調べ、ビデオ通話で本人確認
3)1人で判断せず、家族や周囲にすぐ共有を
国際電話や詐欺電話をブロックするなど、事前の対策も有効

関連リンク

取材日:2026年1月7日
文:LINEヤフーストーリー編集部 撮影:日比谷 好信
※本記事の内容は取材日時点のものです

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