AIが「バディ」になる世界へ。企業とユーザーが「Good Friends」になる未来を実現

リーダーズ
二木のバストショットです。グレーのダブルブレストのジャケットに白いTシャツを合わせた装いで、正面を向いてにこやかに微笑んでいる。背景は明るい室内で、窓越しにぼかされた建物が見える落ち着いた雰囲気

企業とユーザーの関係を、もっと自然で心地よいものにしたい。
LINEヤフーで法人向けプロダクトを統括し、「Connect One」構想を推進するコーポレートビジネスドメイン(CBD)CPOの二木に、これまで大切にしてきた仕事観や、AI時代に描く企業とユーザーの新しい関係について聞きました。

二木の写真
二木 祥平(にき しょうへい)
LINEヤフー株式会社 上級執行役員 コーポレートビジネスドメインCPO
2015年、LINEに入社。2019年1月、最年少で執行役員に就任。「LINE公式アカウント」のリニューアルや「LINE広告」の立ち上げに携わり、主に日本、台湾、タイにてプロダクトを展開。現在はLINEヤフーの法人向けプロダクト責任者として、プロダクトを横断したビジネスプラットフォームを構築する「Connect One」構想を推進。2025年10月より現職。

ユーザーと企業を、もっと「会話」でつなぎたい。「好奇心」を大切にする仕事観

──これまでのキャリアを教えてください。

新卒でプロダクトマネジメントや事業開発に携わった後、2015年にLINEに入社しました。入社のきっかけは、当時の「LINE@(ラインアット)」(※1 2019年4月に「LINE公式アカウント」に統合)に大きな可能性を感じたことです。

「すべてのものにLINEアカウントが作れる」という世界観に、企業とユーザーのコミュニケーションが変わる未来を見たんです。

※1 LINE、店舗・メディア・公共団体向けにビジネスアカウント「LINE@」を2012年12月上旬に提供開始

LINE入社後は、Messaging API(※2)のグローバル公開や「LINE広告」の立ち上げ、「LINE公式アカウント」のリニューアルなどを担当しました。
その後、ヤフーとの経営統合などを経て、現在は「LINE公式アカウント」や「LINEミニアプリ」をはじめとする、LINEヤフー全体のビジネスプラットフォームづくりの責任者を務めています。

※2 Messaging API

二木さんのバストショットです。横向きに座りながら口を開けて笑っている。視線は正面ではなくやや右方向に向けられ、会話中の一瞬を捉えたような自然な表情。

「Connect One」基盤は大詰め。2026年、体験が動き出す

──企業とユーザーのコミュニケーションを、よりシンプルにしたいという思いから取り組んでいる「Connect One」構想について教えてください。

「Connect One」は、LINE公式アカウントにあらゆるソリューションを連携させ、ビジネスを総合的に支援するLINEヤフーの新たなコンセプトです。 企業やお店は、メッセージやチャットに加え、広告・コマース・予約・販促・店舗DX・顧客分析までをワンストップで活用可能。 1億人を超えるユーザー基盤を活かし、あらゆるビジネスチャンスを最大化します。

CONNECT ONEと書かれたビジネスの成長を支える統合プラットフォームの構成図である。中央に大きな緑色の円があり「LINE公式アカウント」と記載されている。その周囲を囲む円環状のエリアに複数の機能アイコンが配置されている。

──この構想を推進する上で、大切にしていることは?

意思決定において意識しているのは、「多面性」と「スピード」を両立させることです。「こうあるべき」という正論だけでは決められない。売上はもちろん、国内や海外ユーザーへの影響、組織の力学やモチベーションなど、さまざまな角度から物事を見るようにしています。

一方で、メリット・デメリットを並べ続けても、意外と結論は出ないんですよね。だからこそ、リーダーシップポジションにいるメンバーをしっかり巻き込んだ上で、最後は経験則も踏まえて早く決めきることを大切にしています。

そして、何より重要だと考えているのが「好奇心」です。アリストテレスの「仕事を楽しむことで、その仕事は完璧なものになる」という言葉が好きで。

好奇心を持って取り組むことで、仕事の質も変わってくる。LINEヤフー、そして「Connect One」の世界観には、あらゆる領域に挑戦できる環境があるからこそ、その姿勢を何より大事にしています。

──「Connect One」は、現在どのような状況にありますか。

現時点では、「配管工事が大詰めを迎えている」段階です。
LINEとヤフーのビジネスIDやデータ基盤を一つに統合し、バラバラだったデータがつながろうとしています。これからは「LINE公式アカウント」を中心に、LINEヤフーのサービスが統合されていきます。
2026年は、いよいよ「水を通す」フェーズです。

「2025.6 提供開始」と上部に記載され、「共通のログインID『ビジネスID』に統合」と大きく示された構成図である。中央に青から紫へのグラデーションの円があり「ビジネスID」と書かれている。

──具体的にどのようなサービスが提供されるのでしょうか。

一言で言えば、「LINE公式アカウント1つですべてが完結する」世界を目指しています。

2026年6月には、店舗DXシリーズの第一弾を展開します。LINE公式アカウントと密に連携した飲食店向けのモバイルオーダーやPOSレジ機能、美容室向けの予約・カルテ機能などを提供し、ユーザーは注文や予約、行動履歴に応じたお得なクーポンの受信といったアクションをLINE上で手軽に完結できるようにします。

さらに、体験のシームレス化を加速させるため、広告プラットフォームの統合とあわせて、「Yahoo!ショッピング」との連携も強化します。これにより、商品の閲覧から購入まで、アプリを切り替えることなくスムーズに行える、ストレスのない購買体験を目指します。また、顧客理解を深める鍵となるのが「LINEミニアプリ」です。 アプリインストールの手間をなくして利用ハードルを下げるだけでなく、蓄積された利用履歴(※3)を活用することで、「LINE公式アカウント」を通じて一人ひとりの興味関心に合わせた最適なメッセージ配信が可能になります。

※3 LINEアカウントと紐づいた行動データの取得・活用にはユーザーの許諾が必須となります。

「LINEミニアプリ」と大きく書かれ、「さまざまな業種・業態で、ユーザーの生活に寄り添ったサービス・体験を提供」と記載された紹介バナー

――2025年11月に企業のマーケティング担当者などを対象に開催した「LINEヤフー BIZ Conference 2025」で特に反響が大きかったプロダクトについて教えてください。

2025年11月に提供を開始した「LINEタッチ」は、想定を上回る反響をいただいており、製造が追いつかないほどの状況です。スマートフォンを専用のNFC(近距離無線通信)タグにかざすだけで、「LINE公式アカウント」や「LINEミニアプリ」などがスムーズに起動し、友だち追加やクーポン取得、会員証の表示、モバイルオーダーといった「LINE」上のさまざまなサービスを瞬時に利用できます。

「LINEタッチ」と大きく書かれ、「用途に合わせたアクション設定で、オフラインのユーザー体験をもっと便利に」と記載された紹介バナー

AI関連では、「ブランドエージェント」への反響が大きかったです。「LINE公式アカウント」上で、AIが企業の「専属スタッフ」として、接客や予約対応、カスタマーサポートまでを担います。企業ごとに、「その企業らしさ」を備えたAIエージェントが、ユーザーと会話する世界です。

「ブランドエージェント」のベースとなる「AIチャットボット(β)」機能はすでに約1万アカウントで利用されています。特に台湾やタイでの活用が進んでいて、日本よりも早くAIを通じて企業とチャットでやりとりするコミュニケーション文化が根付きつつあります。

「ブランドエージェント」と大きく書かれた紹介バナーである。右側には「LINE公式アカウントにAIエージェントインターフェイスを実装 接客、購買/予約、サービス提供、カスタマーサポートなどあらゆるブランド体験が進化する」と説明文が記載されている。 「LINEヤフー法人サービスのAI活用」と大きく書かれ、その下に黒い帯で「AIチャットボット(β)」と記載された紹介バナーである。中央にはスマートフォンの画面イメージが配置されており、LINEのチャット画面が表示されている。

私たちが目指す、AIが「バディ」になる世界

──AIエージェントによって、人々の生活はどのように変わると考えていますか?

私は、変化には3つの段階があると考えています。最初は「コンシェルジュ」。聞けば何でも答えてくれる存在ですが、あくまで役割は後方支援。困ったときに助けてくれる存在です。

次の段階が「バディ」。困ったときに呼ぶ存在でなく、最初から隣にいる存在。一緒に悩み、一緒に動く相棒です。たとえば、「来週キャンプ行くんだよね? 買わなきゃって言ってたギア、今セール中だよ」と、AIのほうから声をかけてくれる。

そして最後の段階が「任せられる」。旅行の計画を自動で組み立て、予約から決済までをすべて済ませてくれる。朝起きたら「来月の沖縄旅行、予約しておいたよ。いつもの航空会社で、窓側の席も取れたよ」って(笑)。そんな世界です。

──そのような世界はLINEヤフーだからこそ実現できると考えていますか?

はい、そう思います。一般的なAIエージェントは、基本的に新しいアプリを開いて、「初めまして」から始まります。そこから信頼を築き、外部サービスと連携して、ようやく行動できるようになる。

でも、LINEは違います。企業とユーザーが、すでに「友だち」なんです。何年もかけて積み上げてきた関係性がある。AIエージェントに一番必要なのは、「賢さ」ではなく、「つながりの期間」だと思っています。LINEには、それがすでにある。

もう一つ大きいのは、「聞いて終わり」にならないことです。AIに「旅行プラン作って」と聞けば、プラン自体は出てきます。でも、そのあと自分で予約サイトを開いて、決済して...という流れになりますよね。LINEなら、提案から予約、決済まで、すべて完結できる。

そして「習慣」。毎日開くアプリにAIがいる。新しいアプリを開く必要がない。いつもの場所に、いつの間にかバディがいる。その自然さこそが、僕らの最大の武器だと思っています。

──「LINE公式アカウント」で企業と生活者の関係は、今後どのように変わっていくと考えていますか?

私たちが目指しているのは、すべての「LINE公式アカウント」が「ブランドエージェント」になる世界です。
たとえば、好きなアパレルブランドの「LINE公式アカウント」が、「先週見てたあのジャケット、あなたのサイズが残り1点だよ。今月のセール対象だから20%オフ」と教えてくれる。美容室の「LINE公式アカウント」が、「前回のカラー、そろそろ色落ちしてくる頃だね。来週の火曜、いつもの時間が空いているよ」と声をかけてくれる。

企業や店舗からの一方的な「お知らせ」ではなく、私のことを知っている友だちからの「ひとこと」。そうなれば、広告は広告ではなくなります。届け方ひとつで、「押し売り」は「おすすめ」に変わるんです。
僕たちのキーワードは、常に「フレンズ」。AIを掛け合わせて、「ただの友だち(Friends)」から「親友(Good Friends)」へ。知らなかった商品やお店との出会いが、もっと自然に増えていく世界をつくっていきます。

──AIに不安を感じる人もいる中で、ユーザーが安心して使えるプロダクトを提供するために、大切にしていることを教えてください。

私たちが常に意識しているのは、「透明性」です。AIがどれだけ賢くなっても、最終決定は人間。データはあくまでユーザーのものであり、使われたくない情報は、いつでも自分で止められる。主導権は常にユーザーにある。

LINEヤフーは「24時間365日、生活のすべてを支えるプラットフォーム」を目指しています。だからこそ、データの取り扱いには細心の注意を払っている。この姿勢は、今後も変わらず重視していきます。

二木のバストショット。木製のテーブルに両手を軽く組むように置きながら、横向きに座って笑顔で会話している様子。視線はやや右方向に向けられ、リラックスした雰囲気。

描いてきた未来が、現実になる

──最後に、今後の展望を教えてください。

LINEに入社してから10年、ずっと追いかけてきたのが、「企業とユーザーのコミュニケーションをシンプルにする」ことです。
きっかけは、「LINE@」の動画でした。ビルや人、お店など、あらゆるものに「LINE@」のマークがついていく映像を見て、「これだ」と思ったんです。電話やメール、フォームなど、連絡手段がバラバラで面倒になりがちな企業とのコミュニケーションを、LINEならすべてシームレスにできるんじゃないか、と。

家族や友だちとのやりとりは、LINEによって劇的に変わりました。次は、お店や企業とのコミュニケーションです。LINEヤフーには、それを実現するためのアセットがあります。LINEのコミュニケーション基盤、ヤフーの予約・購買のソリューション、そして強い営業組織と生活のあらゆる場面に届くメディア接点。
LINEヤフーだからこそ実現できることが、たくさんある。一瞬で買えて、一瞬で予約できて、一瞬でつながれる。そんな世界をつくれたら、日常はもっと豊かになるはずです。

AIの登場によって、その未来は現実に近づいています。昔、chatbot(※4)に取り組んでいた時期があるのですが、当時は「住所はどこですか」「ベビーカーは入りますか」「わかりません」といった、機械的な一問一答が限界でした。でも今は、本当にコンテキストを読んで答えられる世界になってきている。

※4 LINE DEVELOPER DAY 2016開催~chatbotのさらなるオープン化、そして新たなMessaging APIを公開、正式提供開始

正直、「ちょっと来たな」という感覚がありますよね。昔やろうとしていたことが、ようやくAIで実現できるようになってきた。「Connect One」とAIという2つの武器が揃った今、それが現実になろうとしています。2026年が勝負です。一気にやり切りたいですね。ぜひ、期待していてください。

取材日:2025年12月19日
文:LINEヤフー社内広報編集部 写真:倉増 崇史
※本記事の内容は取材日時点のものです

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