まず、人のコミュニケーションを支える基盤でありたいと思っています。
ただ、それだけではなくて、今後は決済やお店の予約、買い物など、生活や社会を支えていきたいとも感じています。
さらに言うと、単なる基盤として機能を提供するだけではなく、その上の体験まで含めて届けていきたいですね。
家族との連絡、友人との待ち合わせ、仕事のやりとりまで...毎日、何気なく開くLINE。
2025年12月、国内の月間利用者数(MAU)が1億ユーザーを突破しました(※1)。これは、1カ月で1億ユーザーがLINEを開き、誰かと「つながった」ということ。
なぜLINEは、ここまで長く使われ続けてきたのでしょうか。
そして今、LINEはどんな未来を描こうとしているのでしょうか?
変えることと、変えないこと。
その判断の裏側にある思いを、事業責任者の朝井に聞いてきました。
※1 スマートフォンにひも付くLINEアカウントを保有するiOS/Androidのユーザーのうち、1カ月の間に一度でもLINEを起動したユーザーアカウントの数(2025年12月末時点)


まず、人のコミュニケーションを支える基盤でありたいと思っています。
ただ、それだけではなくて、今後は決済やお店の予約、買い物など、生活や社会を支えていきたいとも感じています。
さらに言うと、単なる基盤として機能を提供するだけではなく、その上の体験まで含めて届けていきたいですね。

それは、日々の生活や社会の中で「ここは使いにくいな」「不便だな」と感じる場面が、まだまだたくさんあると思っているからです。
ITの力やLINEヤフーの力を使えば、もっと便利に、もっと効率良く、もっと楽しくできることがある。
「これまでより2倍、3倍便利になった」と感じていただける可能性が見えているので、それをもっと広く人々に伝えていきたいという思いがあります。おせっかいかもしれませんが...(笑)
「LINEはコミュニケーションの入り口を持っているサービスですし、ヤフーにはショッピングやニュースなどのさまざまなサービスがあります。LINEだけではできなかったことが、ようやくできる土俵が整ってきたと感じてワクワクしています!」

領域によっても違うと思いますが、便利さにはいくつかの軸があると考えています。
同じことが短時間でできることも便利ですし、少ない労力でできることも便利。あるいは、同じことがより楽しくできる、という便利さもあります。そうしたいろいろな方向の「便利」を目指しています。
たとえば、友だちにお金を送る場面。以前は銀行振り込みをする必要がありましたが、今はPayPayを使えば、ずいぶん手間や時間を短縮できますよね。

ほかにも、たとえば予約していた予定をつい忘れてしまうことはありませんか?
そんなときに、前日にLINEからリマインドの通知が届いて見て気づけるなど、うっかり忘れてしまうことを防げるのも、ひとつの便利さですよね。
このように、領域ごとに便利さの形は違いますが、これらの「小さな不便」を一つひとつつぶしていく。その積み重ねが大事だと考えています。

一番大きいのは、月額制サービスであるLYPプレミアムを導入したこと(※2)だと思っています。これまで「LINEは基本的にすべて無料で使える」という世界観から、プレミアムユーザーだけが使える機能を設けたことは大きな転換でした。
※2 LYPプレミアム

たとえば若年層と高齢の方とでは、求める便利さやニーズが違ってくるのも事実で、すべての人に同じ形で幅広く提供し続けるのは、正直かなり難しいことです。
そのため、有料でもその価値がある、より便利だと感じていただける機能を一部のユーザーを対象に提供する方向にかじを切りました。もちろん、基本的なコミュニケーションについては、これまで通りどなたでも支障なく使えるようにしています。

そうですね。送ったあとに、「あ、ミスしちゃった」という場面って、どうしてもありますよね?
実は僕も最近、家族に送るつもりだった内容を、地元の友だちのLINEグループに送ってしまったことがあります(笑)。

はい(笑)そういう意味で、「送信取消」は、ベーシックなコミュニケーションツールとして、あった方がいい機能だと思っています。
ただ、あくまでも送った直後に「あ、やってしまった」と気づいたときに使ってほしい。
変な使い方や、悪用は絶対にしてほしくないですね。
コミュニケーションツールは、便利になる一方でどうしても悪いことにも使われてしまう可能性があります。だからこそ、僕たちもそれだけの責任を負っているという意識を強く持っています。犯罪などに悪用されないための対応は、これからも最優先に進めていきたいと思っています。

やはり「ユーザーファースト」ですね。本当に当たり前の答えになってしまうのですが、これまでずっと、ユーザー第一という考え方は変わっていません。
議論の場でも、「ユーザーにとって使いやすいかどうか」を常に判断基準にしています。
ユーザーは特別な誰かではなくて僕たちでもあるので、「自分たちが使いたいか」「使いやすいと感じるか」という判断軸も、ずっと変わっていないと思います。

たとえば高齢の方の場合、目が見えにくくなるなどの身体的な変化が出てくることがありますよね。そのため、文字を見やすいサイズに設定できるなど、最低限の基準をきちんと設けることで、どの世代でも使っていただけるようにしています。
ただ、「誰にでも使いやすい」ということだけではなく、アプリとしての面白さや成長、わくわくするような新しい要素も常に追い求めています。
新しい機能をリリースしたとき、若い人が先に使ってくれることが多いですが、そこからその親世代、さらにその上の世代へと、だんだん広がっていく。そうやって、世代を超えて使われていくケースが多いと感じています。
なので、考え方として「全世代に使ってもらおう」と最初からねらうことはあまりしていません。そうしてしまうと、ユーザー像がぼやけて発想も曖昧になってしまうからです。結果、だれも欲しくないという。
それよりも、「自分たちが今、使いたいものは何か」「若い人たちは、今どんなことにワクワクしているのか」などをもとにアイデアを考えることが多いですね。

はい、意識しています。コミュニケーションの形は世代ごとに年々変わっていくので、しっかりキャッチアップしておかないと、気づいたら「裸の王様」になってしまうんじゃないか、という危機感は常にありますね。
若年層へのユーザーインタビューも行っていますが、新しいサービスが出たら必ず、チームのみんなで1週間、2週間ほど使ってみて、感じたことを持ち寄り議論しています。

日常で使ってもらうためには、あまり「うるさくない」ほうがいいと思っているので、まず、コミュニケーションに必要な情報をしっかり伝えることを大切にしています。
たとえば優先度の低いお知らせは、できるだけプッシュしないようにするなど、そのバランスはかなり意識しています。

これまで変えてこなかったことの延長でもあるのですが、ユーザーフォーカスをやめることはないと思います。
言い換えるなら、「邪悪なことはしない」。
つまり、ユーザーの期待を裏切ってしまうような設計や振る舞いはしないと決めています。
コミュニケーションの主人公は、あくまでユーザーのみなさんです。LINEは、それを支えるツールでしかありません。
僕らが前に出て、コミュニケーションをこう変えるのだと主張するのではなく、あくまで手段として支える。その上のコミュニケーションは、ユーザーに委ねる。それが一番いい形だと考えています。

LINEはサービス開始からもうすぐ15年がたちますが、正直まだやりたいことの10%くらいしかできていないと思っています。
これからはヤフーなどのさまざまなサービスともどんどんつながっていきたいですし、AIも活用していきます。
「日常になくてはならない」から「もっと頼れる存在」として、ユーザーのみなさんに喜びや楽しさ、驚きを届けていきたいですね。
これからのLINEが、みなさんの毎日をどんなふうに変えていくのか。ぜひ楽しみにしていてください!
朝井「僕たちは、コミュニケーションについて誰よりも考えているという自信があります」
――では、朝井さんもコミュニケーションが得意なんですね?
朝井「それは......わかりません(笑)」
取材日:2026年1月23日
文:LINEヤフーストーリー編集部 撮影:日比谷 好信
※本記事の内容は取材日時点のものです
