みなさんはLINEの友だちや離れて暮らす家族とLINEで通話をしたことがありますか? 7月25日にリリースした「LINEプリ」を使うと、通話をしながら、遠く離れた友だちや家族と写真撮影ができ、写真をシェアし合うなど大切な思い出として残すことができます。
通話機能の久々の大型アップデートとなるLINEプリは、一体どのような背景から誕生したのか。開発プロセスや機能の強みやこだわり、今後の展望について、プロジェクトマネージャーのKim Gye Yeongに聞きました。
LINEプリは、LINEで通話中に友だちと一緒に好きなフレームを選んで写真を撮ることができる、LINEの新しい機能です。オフラインのプリントシール機を楽しむように、まるで実際に同じ空間で写真を撮っているような感覚で、友だち同士で写真を撮り、保存、共有することができます(※1)。
LINEプリを始めるには、グループトーク画面と通話画面からの2つの方法があります。グループトーク画面では「+」メニューまたはカメラアイコンから「LINEプリ」をタップします。通話画面からは「LINEプリ」または「パーティ機能」のアイコンをタップすることでLINEプリが起動します。
LINEプリを起動したユーザーがホストとなり、写真のフレームや、撮影回数(1つのフレームにつき最大4回)を選択します。
通常、1日に3回までホストとしてフレームや保存する写真を選ぶことができますが、月額制サービス「LYPプレミアム」に登録しているユーザーは、1日の回数制限なく利用できます。さらに、LYPプレミアム会員限定の特別なフレームも使用可能です(※2)。
LINEプリは最大4名で撮ることができます。ホスト以外のユーザーはポップアップで表示される「参加する」をタップすることでLINEプリに参加が可能です。
撮影時にはワクワクする音楽が流れ、「3・2・1」のカウントダウンの合図で撮影が始まります。撮影ボタンを押してから撮影が終了する最後の瞬間までをレコーディングをして、撮影前後の動画が残せるのもポイントです。
※1 現時点ではグループトークのみに対応しており、1:1のトークは今後対応する予定です。オープンチャットやLINE公式アカウントのトークでは使用できません。
※2 LYPプレミアムに未登録の場合は、1日に撮影可能な回数は予告なしに変更になる可能性がございます。
写真だけでなく、一緒に撮影した瞬間を収めた動画も提供することで、ユーザーがその日を思い出すきっかけになればと考えました。
動画には友だち同士でポーズを合わせている様子や、タイミングが合わずに笑っていたりする楽しい瞬間が詰まっています。こうしたワイワイした姿を記録できることが、ユーザーにとってすごく価値のある体験になると思ったのです。
また、撮った動画をより面白く見せるために、動画の再生速度を2.5倍にしています。撮影前後の楽しい瞬間を、ショートムービーのような動画として残すことができます。
この機能の開発に至った背景には、LINEで通話をするユーザーの行動パターンと、若者たちがプリントシール機で写真を撮ることを楽しんでいる現状があります。
企画当時、「LINE_通話」でSNS検索を行うと、LINEでの通話の様子をキャプチャして「今日は○時間通話したよ」と投稿しているユーザーや、エフェクトをつけてまるで一緒にいるかのように加工された通話での様子が多く見受けられました。
こうしたユーザーの行動を見て、もっと通話での楽しい経験を思い出として残せて、そしてその思い出を振り返ることができる機能を作りたいと思いました。
また、日本だけでなく、台湾やタイでも、友だちと会った時にはプリントシール機で一緒に写真を撮ってSNSでシェアすることが一つのカルチャーとして定着しています。こういったトレンドリサーチから、場所の制約なく離れている友だちとも一緒に写真が撮れるプリントシール機のような機能を検討していきました。
はい、10代から20代の若年層をメインユーザーと考えています。特に10代のユーザーは、昼間は一緒に遊べても、夜は門限があるなどで会えないことが多いですよね。家に帰った後の夜の時間に離れている友だちとLINEで通話を楽しむこともあると思います。LINEプリはそこから撮影という新たな楽しみを取り入れることで、「今日はどのフレームを使って撮影しようか」「ポーズはどうしようか」といったコミュニケーションが生まれます。そして、楽しかった瞬間を写真と動画で思い出として残し、後から見返すこともできます。
実際に会わなくても、または会うことができないときでも、友だちや家族とまるで「そばにいる」と感じられる。そんな価値をつくりたいと考えて、開発に取り組んできました。
サービスのクオリティを高めるための技術的な調整が大変でした。通話中の友だちとの瞬間を楽しく写真と動画で残すことがポイントのサービスなので、ユーザーがスムーズに使うことができて、かつ、しっかりとしたクオリティで残せるようにしなければならないと思っていました。
LINEプリは、ユーザーが撮った写真はLINEヤフーのサーバーを経由せず、端末間で直接やり取りされるため、ユーザーのプライバシーや個人情報保護の観点からも安全な方法をとっています。
一方で、クリアしなければならない課題もありました。特に、通話中にユーザーが見ている画面の画質が悪化しないようにすることが重要でした。そのため、約3ヶ月かけて、高画質な状態で写真を撮影・保存する方法や、人物の動きの挙動などをユーザー目線でていねいに調整しました。
さらに、通話中に端末の負荷が増えすぎないようにする必要もありました。たとえば通話のスピードが遅くなることやスマートフォンが熱を持つ問題を解決するため、発熱防止やクラッシュ修正は、チーム内で議論やテストを繰り返して改善していきました。
このLINEプリは、これまでにない新しいサービスであり、現在、特許協力条約(PCT:Patent Cooperation Treaty)に基づく特許の国際出願をしています。今後、適切なタイミングで日本以外の国においても出願申請をする予定です。
左:LINEプリ プロジェクトマネージャーのキム ゲヨンとMedia Product チームリーダーのキム クムリョン
真ん中、右:LINEヤフーストーリー編集部も使ってみました。どんなポーズをとろうかとワイワイ盛り上がりました!
LINEプリに限らず、われわれが機能開発を行う際に大事にしているのは、ユーザーエクスペリエンスです。初めて使う人でも簡単に手軽に使えるようになっているかを第一に考えていますが、LINEプリはそれに加えて、結果物のクオリティもとても大事なサービスだと考えました。ユーザーにLINEプリを体験して「面白かった!」と感じてもらうことはもちろんですが、それ以上にユーザーが撮影した写真や動画を何度も見返して、周りの人に見せたくなるようなコンテンツがなくてはならないと考えました。
そのため、フレーム作りには特にこだわりました。コンテンツデザインチームが日本のプリントシール機のトレンドやユーザーニーズを把握するために日本を訪れた際、メイクの加工は自然で控えめなものが好まれていて、フレームもシンプルなもののほうがよく使われていることを知りました。
こうした調査結果も踏まえ、LINEの通話でしか実現できないような独自のコンセプトを提供するためにさまざまな試行錯誤を繰り返し、現在のフレームに辿り着きました。ユーザーのさまざまな好みに合わせて、すっきりしたデザインのフレーム、かわいらしくてキュートなスタイルのフレーム、大人っぽい感じに映るフレームなど、いろいろな方向性のものを用意しました。
LYPプレミアム会員限定フレームでは、より楽しいコンセプトのものを提供したいと考え、まるで漫画の世界に入ったような感覚になれるフレームや、誕生日に一緒にお祝いできるフレームなどを用意しています。個人的には、漫画のコマに入れるフレームが一番のお気に入りです。ぜひ使ってみてください(※3)。
リリース後、ユーザーの反応を見ながら、より多くの方が楽しめて「残したい!」と思えるようなコンセプトを追求し、アップデートを続けていきたいと考えています。
※3 LINEプリで利用できるフレームのデザインは時期によって変動します。
より多くのみなさんに楽しく使っていただけるように、継続的に新しいフレームを展開していく予定です。具体的には、季節やイベントに合わせたフレーム、イラストレーターとのコラボフレームなどを準備しています。また、撮った写真を実際に印刷できるような仕組みも検討中です。
今回、ユーザーテストを通じて、ユーザーの趣味や好みが非常に多様であることを実感しました。たとえば、写真の自然な仕上がりを重視する人もいれば、面白く仕上がることを重視する人もいます。写真の加工についても、目を強調させたい、肌をきれいに見せたいなど、細かいニーズがあることがわかりました。
こうしたニーズに応えるために、今後はユーザーそれぞれが自分の望む加工を自分で変更できるような機能を追加することも考えています。ぜひ楽しみにしていてください。
みなさんに楽しく使っていただけるように、私たちはテストと調整を繰り返してきました。「今日はどのフレームを使って撮影しようか」「どんなポーズを取ろうか」と相談する楽しさや、通話中の楽しい瞬間を残してもらえたらと思っています。
ぜひ、友だちや家族、同僚などと一緒に写真を撮って、楽しい思い出を作ってください。そして、その写真を周りに自慢したくなるような素敵な瞬間を楽しんでいただけるとうれしいです。
Media Productチームのみなさん
Media Productチームは、LINEの通話に加えて、グローバル向けライブプラットフォームやカメラ、写真ギャラリーなどのサービスを担当しています。チームには気軽に意見を言い合える雰囲気があり、活発なディスカッションから新しいアイデアが生まれ、新たなサービスの企画やサービス改善につながっています。
取材日:2024年6月27日
※本記事の内容は取材日時点のものです