企業とユーザーをつなぐ 「LINE通知メッセージ」とは?

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二人の男性が「企業とユーザーをつなぐLINE通知メッセージとは?」の前でポーズを取っている。

LINEのメッセージで、運送会社や商品を購入した店舗から、配達日や購入完了の通知を受け取ったことはありませんか? 自分で友だち追加した記憶ないのに...開いて大丈夫? と思ったことがある方もいるかもしれません。実はそのメッセージは企業がLINE公式アカウントに友だちとして追加されていないユーザーにも必要性の高いメッセージを配信できる「LINE通知メッセージ」によって送られています。
ユーザーの生活に寄り添った便利な通知メッセージ普及のためにプロダクト作りに注力する依馬と野村に、LINE通知メッセージの便利さや今後の展望について聞いてきました。

短髪の男性が真剣な表情で話している。ダークカラーのジャケットを着用し、落ち着いた雰囲気。
依馬 裕也 (えま ゆうや)
マーケティングソリューションカンパニー(以下、MSC) ソリューションマーケティング部 部長
2020年にLINE Pay(株)に入社。旧LINE(株)MSCに異動後、コンサルティングやAPI領域の事業企画などに携わったのち、2023年10月にソリューションマーケティング部を立ち上げる。テクノロジーパートナーコミュニケーション、LINEミニアプリのパートナーアライアンス、オウンドメディアを活用したソリューションマーケティングなどの業務を担当。
白いシャツを着た男性が微笑んでいる。リラックスした表情で、カジュアルな雰囲気が漂う。
野村 隼平(のむら じゅんぺい)
MSC DXビジネス企画2チーム リーダー
2019年に旧LINE(株)に入社。LINEミニアプリの立ち上げ期から事業開発や事業企画に携わる。現在はLINEミニアプリのほかに、LINE通知メッセージやDXソリューション企画、プロダクトマーケティングなどの業務を担当。

ユーザーアクションと電話番号に紐づいて届く、LINEのメッセージ

――LINE通知メッセージとは、どのようなサービスですか?

依馬:
例えば、運送会社から荷物配送に関するLINEのメッセージを受け取ったことはありませんか? これはLINE公式アカウントの機能のひとつで、企業が保有するお客様の電話番号を、LINEに登録されているユーザーの電話番号とマッチングしてメッセージを配信できる「LINE通知メッセージ」というサービスです。

佐川急便と郵便局のLINE通知画面。配達予定日や再配達の案内が表示されている。

LINE 通知メッセージの一例。LINEトーク画面上で、ユーザーにとって必要な情報が確認でき、再配達の依頼もトーク画面上から可能

依馬:
LINE通知メッセージは、LINE公式アカウントの基本的な配信方法とは異なり、企業は個別に友だち追加されていないユーザーにもメッセージを届けることができます。ECサイトでの注文やサービスの利用予約など、ユーザーのアクションに紐づいてメッセージが配信されるため、関心度の高いユーザーに友だち追加を促すことが可能です。またユーザーは自分にとって適切なメッセージを受け取ることができます。

――LINE公式アカウントを友だち追加していなくても、メッセージが届くのですね。

依馬:
はい、電話番号を用いるため、LINE公式アカウントの友だち以外のユーザーにもメッセージ配信ができる一方、通常のLINE公式アカウントの配信の仕組みとは異なるので、ユーザーへ与えるインパクトも大きいです。そのため、ユーザーが不信感を持たないように広告や営利目的のメッセージは配信できないようにしており、ユーザーが必要とするメッセージをユーザーのアクションに紐づいて送るという仕様にしています。

――どういった背景から生まれたサービスなのでしょうか?

野村:
LINE通知メッセージは2018年にリリースしました。当時はLINE公式アカウントのアカウント数や利用ユーザー数も成長し、企業からユーザーへの一方的な広告配信だけでなく、問い合わせや各種手続きの手段といったユーザーから企業へアクションを起こす、ユーザー自らがメリットを感じて利用するツールとしての活用が拡大しはじめていました。

同時に、運送だと荷物の再配達時にかかるコスト、電力だと電気の利用料金通知を紙で行うコストの増加など、公共性の高い企業において業務の非効率さといった課題も発生していました。ユーザーにとっても、荷物がいつ届くのか事前に知るすべが少なく、結局再配達になってしまうといった課題もあり、そういった企業、ユーザー双方の課題をLINEで解決したいと始まったのがLINE通知メッセージです。

白いシャツの男性が会議室でノートパソコンを使っている。真剣な表情で話をしている。

LINE通知メッセージが送られる仕組み

――自分にとって必要な情報なので利便性が高いと感じる一方で、見覚えのないメッセージを開いてもいいのかと不安に思うユーザーもいそうです。LINE通知メッセージはどのような仕組みで送られるのでしょうか?

依馬:
まず、メッセージを発信できるのは、1)認証済アカウント、2)認証プロバイダーの審査を通過したアカウントのみに限られています。LINEヤフー側でこの2回の審査を実施し、実在して安心できる企業からの申請でありスパムなどの詐欺行為に使われないことの確認をとっています。配信されるメッセージについても、事前にLINEヤフー側で配信内容をチェックし、承認した内容のみが配信されます。突然この内容のメッセージがきたら、ユーザーはどう思うか、不安にならないかという視点で、メッセージの内容も慎重に審査しています。

企業が保有する電話番号を、LINEに登録されているユーザーの電話番号とマッチングするという部分では、企業から送信される電話番号はハッシュ化(元の値に戻すことのできない別の値に置き換えること)されており、LINEヤフー側では宛先のマッチングのためにのみ使い、マッチングし、メッセージを送信した後は電話番号を保有せずすぐに破棄しています。

LINEヤフーとユーザーのメッセージの流れを示す図。認証やハッシュ化のプロセスが説明されている。

野村:
電話番号がマッチし、初めてメッセージが送られる際のプロセスを説明します。まずユーザーにLINE通知メッセージの受け取りに関して同意を得るために、LINEのシステムアカウント(アカウント名に「LINE」と表示されているアカウント)から企業からLINE通知メッセージが届いたことと、LINE通知メッセージの受信同意、電話番号認証に関するメッセージが送られてきます。

ユーザーが同意すると、「LINE通知メッセージが届きました」という案内メッセージが送られます。そして企業のLINE公式アカウントからのメッセージが届き、内容の確認ができるようになります。
180日以上LINE通知メッセージの利用がない場合は、次にLINE通知メッセージを受信した際に、改めて電話番号認証のメッセージが送られます。このように、ユーザーが安心してサービスを使えるよう設計をしています。もちろん、メッセージを受け取りたくない場合には、メッセージを届かないように設定することも可能です。

LINE通知メッセージを受信する方法

――サービスに対する企業やユーザーからの反響はいかがでしょうか?

依馬:
サービスを始めたばかりのときは、見覚えのない企業からの突然のメッセージに対して、ユーザーからは開いていいのか不安という心配の声もやはりありました。ですが、配信を行う企業や開発を担当する代理店などのパートナーが市場啓発を進め、ユーザーに通知が届く条件や、代表的な企業からの通知の便利さを理解してもらうことで、ユーザーの意識が変わってきたと感じています。実際にサービスを利用してみるとその便利さを感じていただける声が多く、LINE通知メッセージはLINEヤフーのDXの代表的な事例だと思っています。

ダークカラーのジャケットを着た男性が会議中に話をしている。真剣な表情で、ノートパソコンを前にしている。

企業のDXとユーザーの生活利便性の向上

――現在、どのような利用が広がっていますか?

野村:
ヤマト運輸様を皮切りに本サービスがスタートしましたが、電力・ガス・航空・運送・小売・医療機関など数多くの業種の企業様にSMSやはがきに代わる通知手段として導入していただき、配送通知や予約通知、リマインド通知など合わせて22種類の利用用途でご活用いただいています。

依馬:
運送会社からの荷物配送に関するメッセージを受け取ったことがある方も多いかと思います。佐川急便様は、約1年前に導入を開始しました。ある特定の地域における結果ですが、LINE通知メッセージの導入前後で再配達率が2%低減した(※1)ケースもあります。一見小さな変化に見えるかもしれませんが、この変化が再配達のための人件費や車のガソリン代などのコスト削減に大きく貢献していると伺っています。

※1 2024年3月末時点 佐川急便様の調査による特定地域における不在再配達率を前年と比較した際の効果

再配達にかかるコストの例を示す図。車両費、人件費、業務管理費、その他の費用が説明されている。

依馬:
東京電力様には、料金確定通知のために導入していただいています。郵送はがきで料金通知を送られてきてもすぐに捨ててしまうことも多いですし、企業のウェブサイトにアクセスして確認するのも手間ですよね。LINE通知メッセージ置き換えることで、ユーザーは料金が確定した時点でメッセージを受け取り、ワンクリックで料金の確認ができます。また企業側の業務効率化、ペーパーレス化にもつながっていると評価をいただいています。

ピザハット様でも、ネットから注文したユーザーの電話番号をもとに、焼き上がり時間や配達時間の通知を行うために導入していただいています。ユーザーは来店や商品到着のタイミングがわかりやすくなり、よりスムーズな受け取りにつながっているようです。企業側も導入を始めてからわずか半年でLINE通知メッセージを受け取るユーザー数が230%増え、メッセージのブロック率も改善されているとの結果が出ています。(※2)

※2 クライアントの実績に基づくLINEヤフー社の調査による

二人の男性が会議室で笑顔で座っている。リラックスした雰囲気で、ノートパソコンの前にいる。

「あったらいいな」のメッセージが、いつでもLINEで届く世界を目指して

――今後、サービス成長のために取り組んでいくことを教えてください。

野村:
現在、LINE通知メッセージの利用用途は22種類ですが、ユーザーが受け取って便利だな、生活に必要だなと感じられる通知の用途を今後さらに増やしていきたいと考えています。送信できるメッセージの幅が広がることで企業もさまざまな情報をユーザーに届けることができるので、いち早く取り組んでいきます。
ただ、メッセージの利用用途を増やす=突然メッセージが届いてユーザーが困惑するといったリスクも上がるため、ユーザーの受け取り時の不快感を避けることは特に意識して進めていかなければと思っています。

また、LINE通知メッセージがどういう仕組みでなぜ自分に届くのかという仕組みの部分をより分かりやすくユーザーに伝えていかないといけないと思っています。それが安心して利用していただけることにつながっていくと思うので、細かいUI・UXの部分や、ユーザー同意の取り方なども含め、より安心して使っていただくための改善をしていきます。

LINE通知メッセージを採用する企業目線で言うと、企業がLINE通知メッセージの利用申請をしてから、実際にアカウントやプロバイダーの審査、メッセージ内容の審査が完了して利用を開始するまでのリードタイムを今より短くしたいと考えています。企業が導入しやすいよう、審査プロセスを効率化させていくことも今後取り組んでいくことのひとつです。

依馬:
先ほど導入企業の事例でもお伝えした通り、配送日時や電気利用料金の連絡をLINE通知メッセージにすることで、企業の業務効率化やコストダウン、さらにはCO2排出量の削減につながるといった点が、企業側に貢献できるLINEヤフーならではの価値だと思っているので、使っていただける用途をまだまだ増やしていきたいですね。それから、ユーザーと企業双方のニーズ、ペインポイントに対してプロダクトを改善し成長させ、サービスへの満足度も高めていきたいです。

――最後に、LINE通知メッセージを通じて作っていきたい世界を教えてください。

依馬:
日常に必要なメッセージをユーザーが自ら探しにいく手間を省くことができるのが、9,700万人の月間アクティブユーザー(2024年3月時点)をもつLINEだと思っています。ユーザーが「日常にあったらいいな」と思うようなメッセージが、自分で探さなくてもいつでもLINEで届く世界を作っていきたいと考えています。

野村:
ユーザーの日常生活において、LINE通知メッセージで必要な情報を受け取ることが当たり前になって、それがないと不便だと感じるくらい、生活に根付く状態をつくっていきたいです。企業やユーザーにとって欠かせないインフラとなるよう、サービスをさらに発展させていきます。

二人の男性が「LINEヤフー」のロゴを持って笑顔で座っている。レンガの背景が特徴的。

「LINE通知メッセージ」はLINEヤフー株式会社が提供する、企業からの利便性の高い通知を企業のLINE公式アカウントから受け取ることができる機能です。本機能の利用に同意することで、個別のアカウントを友だち追加することなく、簡単に通知メッセージを受け取ることが可能になります。対象はLINEヤフー株式会社がユーザーにとって有用かつ適切であると判断したものに限定され、広告目的のものは配信されません。

  • 「LINE通知メッセージ」に関して詳しく確認したい場合は、こちらをご参照ください。
  • 「LINE通知メッセージ」の受信設定を確認・変更したい場合は、こちらをご参照ください。

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取材日:2024年5月9日
※本記事の内容は取材日時点のものです

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