2024年東京都知事選をビッグデータで振り返る

政治・選挙
2024年東京都知事選をビッグデータで分析するレポートのタイトル画像。

こんにちは、LINEヤフービッグデータレポートチームです。2024年7月7日(日)、東京都知事選挙(以下、都知事選)が執行され、現職である小池百合子都知事の続投が決まりました。
私たちは選挙前数週間の段階で選挙前の動向をデータで調査しました(ビッグデータで見る2024年東京都知事選の行方)。今回は改めて選挙結果を振り返ってみましょう。

投開票直前までの注目度

図1は検索データによる主要候補の日別注目度の変化です。いずれの候補も選挙前日の7月6日に注目度がグッと上がっています。告示日の前後による注目度の変化を比較すると、もともと注目度が高かった石丸氏は告示後に告示前の4倍の盛り上がりを見せており、小池氏、蓮舫氏の伸びを大きく上回っていました。

(図1)主要候補の日別注目度

小池氏、石丸氏、蓮舫氏の2024年6月1日から7月6日までの日別注目度を表す折れ線グラフと、告示前後での盛り上がり方を比較した棒グラフ

注目度では石丸氏、得票率では小池氏が勝る

図2は、各候補の告示後の相対的注目度と得票率をプロットしたものです。注目度はそれほど伸びなかった小池氏ですが、多くの得票を獲得しました。一方、多くの注目を集めた石丸氏は得票では小池氏に及びませんでした。なお蓮舫氏は両氏の間に位置しています。
つまり、ネット上での注目度のリアルな得票へのつながりやすさ(コンバージョン)は候補によって相当の違いがあるということです。

(図2)候補別の相対的注目度と得票率

X軸を告示中の相対的注目度、Y軸を得票率とし、候補のポジションをプロットした散布図

得票コンバージョンに大きな差が

では、その注目度の得票へのつながりやすさを表す得票コンバージョンを量的に比較してみましょう。得票率をネット上の注目度で割ったものが相対的な得票コンバージョンとなります。

(図3)主要候補の相対的注目度と得票コンバージョンの比較

小池氏、石丸氏、蓮舫氏の相対的注目度、得票コンバージョン、得票率を比較した3つの棒グラフ

既出のとおり、相対的注目度では石丸氏が他候補を大きく上回りました。しかし、コンバージョンでは小池氏が石丸氏の6.8倍、蓮舫氏の2.6倍と、突出していました。小池氏が現職であることによる信頼感、都政運営に対する一定の評価が潜在的支持層の厚さとして現れたのかもしれません。仮にこのコンバージョン差で石丸氏が勝利するためには、約4倍の注目度では不足であり、実は小池氏の7倍以上の注目度が必要だった計算になります。
このコンバージョンの圧倒的な高さが小池氏の当選を生み出したといえます。

LINEヤフービッグデータレポートはこれからも社会課題の考察に役立つレポートを提供してまいります。引き続きよろしくお願いします。

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