11月26日、LINEヤフーは企業のマーケティング担当者などを対象としたイベント「LINEヤフー BIZ Conference 2024」を開催しました。ここでは本イベントを主催したマーケティングソリューションカンパニー(以下、MSカンパニー)CEO池端へのインタビューと、「OPENING KEYNOTE」の様子をお届けします。
「LINEヤフー BIZ Conference 2024」の会場で、MSカンパニーCEOの池端に本イベントのテーマ「Connect W!th Every Moment」に込めた思いや、この1年の取り組み、「Connect One構想」が生み出す価値について話を聞きました。
※「OPENING KEYNOTE」の様子は記事後半でお届けします。
MSカンパニーCEO 池端 由基
1年前のBIZ Conferenceでは「Connect One構想」を発表しました。今日あらためて感じたのは、今回発表した内容を含め、「Connect One構想」を進めていくことが、企業クライアントのみなさんのビジネスの継続や拡大に、確実に貢献できるということです。ユーザーのみなさんの体験に関しても、一部アップデートして報告をしたことで、より豊かになると考えています。
ただし、もっと進展を望む声もありました。企業クライアントやパートナーのみなさんからの期待が高まっていることを実感していますし、スピード感を持ってもう一歩進む必要があると感じました。いずれにしても多くの方にご参加いただき、みなさんからの強い期待を感じています。これからもしっかりと取り組んでいきたいと改めて思っています。
会場の様子
私たちは「Connect」という言葉をとても大切にしています。これは「つながり」を意味し、顧客同士、ユーザー同士、ユーザーと企業の関係において、一時的な出会いではなく、持続的な関係を私たちのプラットフォームで支援したいという思いを込めています。また、「!」のような驚きは1人では実現できないため、誰かと一緒に、誰かのためにという意味で、「W!th」という言葉も大切にしています。
今回は、瞬間瞬間の感情や状況を表す「Every Moment」を加えました。これは、自分自身も含め、世の中の価値観や消費動向が多様化し、メディアサービスも複雑になっている現状を反映しています。一人ひとりの人生や感情は異なっています。それに対して世代ごとに画一的なサービスや情報を提供するといった従来のマーケティング手法ではなく、移り変わる感情に寄り添いたいと考えています。
「Connect」や「W!th」を実現するためには、さまざまな瞬間や場面、感情を捉え、企業クライアントとユーザーをつなぐサービスプラットフォームをつくり上げる必要があり、この思いが、「Connect W!th Every Moment」というテーマに結び付きました。
この1年間、MSカンパニーとして組織を一体化して運営することに自信を持って取り組んできました。私たちが掲げた構想に共鳴し、共感して集まってくれる仲間が確実に増え、ワンチームになってきたと感じています。
今日発表した内容でも、プロフィールを1つにまとめたり、LINEヤフーの各メディアサービスのリニューアル、LINE公式アカウントやLINEミニアプリのアップデート、広告プラットフォームの統合など、これらはLINEだけ、ヤフーだけ、の取り組みではなく相互につながる内容です。こうしたものが発表できたことを非常に誇らしく思っています。
また、共感者が増えたと強く実感したのは、今年の夏に社内で実施した「Connect One構想」をテーマにしたビジネスアイデアコンテスト「Connect One Camp」のときです。多くの応募があり、そのうち半分がMSカンパニー所属ではない人からのものでした。「Connect One構想」を活用したら、こんなサービスが作れると思うといった共鳴者・共感者の声が多く寄せられました。
私たちの掲げている構想は、ビジネスソリューションがつながるその先に実現する未来を目指しています。MSカンパニーのメンバーでも想像しきれない部分もありますが、コンテストで集まったアイデアを見て、社員には広告やビジネスソリューションを飛び超えた想像力があって、新しいチャレンジを求めていることがわかりました。彼らは私が感じている課題意識などすでに理解していて、だからこそ新しいソリューションが必要だと自然に受け止めています。そんな人たちがいることを知り、その可能性に大きな期待を抱いています。
世の中が変わっていく過程で、消費者の姿が見えにくくなることがあります。それを見る手段を持っているのは、LINEヤフーだけです。また消費者と出会ってつながることが難しくなってきている中で、その接点や手段を持っているのもLINEヤフーだけです。こうした変化の中で、日本の企業のみなさんに対して、課題解決の手助けができると信じて取り組んでいきたいと思います。
また、私たちは多くのユーザーを抱えるプラットフォーマーであり、サービス会社です。そのため、企業クライアントの課題を解決するだけでなく、企業クライアントの課題やコンテンツを通して、ユーザーの日常生活を豊かにできなければ意味がないと考えています。この順番に優先順位はなく、どちらも同時に進めるべきです。企業のみなさんの課題に向き合いながら、目の前の1人1人の顧客体験を決して置き去りにせずに大切に取り組んでいく。その先に、新しい事業やサービスが生まれていくと思っています。
今回の発表では、LINE公式アカウントやLINEミニアプリをリッチにしていくという話をしましたが、LINEヤフーはライフプラットフォームを目指しているということを改めて強く感じました。
ライフプラットフォームとは、日常生活のさまざまなライフアクションをプラットフォームの中で、より便利に豊かにサポートすることです。情報を見たり調べたりするだけでなく、衣食住を含めた生活の中で当たり前のように生まれるアクションを、LINEヤフーのプラットフォーム上でより便利に届けていくこと、それを実現していくプラットフォームが、LINE公式アカウントであり、LINEミニアプリであり、Business Profileだと考えています。
私たちのライフアクションのほとんどは企業やお店などが提供するものなので、MSカンパニーが今掲げている戦略は、ライフプラットフォーム実現の第一歩です。この会社がやらなければ、日本で誰がやれるのかという強い意志を持ち、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。
ここからは、本イベントの「OPENING KEYNOTE」の様子をお届けします。最初にMSカンパニーCEOの池端が、今回のイベントテーマである「Connect W!th Every Moment」について説明しました。
池端:
1年前に発表した「Connect One構想」のもと、私たちはサービス連携や統合プロダクトの開発を進めてきました。この構想は、LINE公式アカウントを中心として、LINEヤフー全てのビジネスソリューションをつなぎ、ユーザーのLTVを最大化していくビジネスプラットフォームをつくるというものです。しかし、本当に実現したいのは、企業とユーザーが適切な形でつながり続けられる世界。つまり、みなさまと共に、顧客体験をより便利にして、より豊かにすることです。
ユーザーの消費行動や生活は、メディアやテクノロジーの進化、さらには価値観の多様化などで大きく変わってきています。われわれはユーザーの日常、さまざまなシーンに常に接点を持って、瞬間瞬間の感情の変化といったものを逃がさない。そんなプラットフォームサービスへと変わっていかなくてはなりません。そのためにもLINE、そしてYahoo! JAPANそれぞれのサービスをリニューアルし、ユーザーの消費行動の、あらゆる瞬間をカバーしていけるようにいたします。
続いて、CPO(Chief Product Officer)の二木より、プロダクトのアップデートについて領域別に紹介しました。
MSカンパニーCPO 二木 祥平
二木:
LINE公式アカウントは利用アカウント数が年々増加しており、日本だけでなくタイや台湾といったグローバルでもアカウントが増え、業種を問わず広がっています。機能面ではスポンサード絵文字(※2025年4月掲載開始予定)などのアップデートも予定しています。配達の通知などでユーザーも受け取る機会も多くなったLINE通知メッセージでは利用用途の拡大が予定されています。
会員証やモバイルオーダー、順番待ちといった多くの場面で利用されているLINEミニアプリは大幅アップデートし、ゲーム・EC、メディア、エンタメ領域などオンラインでも活用の幅を広げていきます。
また、LINEヤフーのビジネスツールとユーザーをつなぐ統合プロダクト「Business Profile」が生まれます。LINE公式アカウントをベースとした、ブランドあるいはお店のコンテンツやアクションをつなぐ統合的なポータルページです。アカウントに登録している店舗情報やタイムライン投稿だけではなく、ショッピングで登録した商品情報やお役立ち情報などもこのプロフィールに集約され、ユーザーとの統合的な接点になっていきます。
さらに、このプロフィール上でさまざまなアクションを完結していきます。LINEミニアプリで提供しているサービスへのアクセスはもちろん、順番待ちの発券、商品の購買、お店の予約など、さまざまなアクションをシームレスに行うことができます。
もちろん、LINEヤフーのさまざまなメディアと連携、統合されていきます。今後リニューアルしていくLINEアプリの各種タブに加えて、Yahoo!検索の結果、あるいはショッピングの店舗ページなどでも掲載され、フォローや友だち追加でつながっていくことも可能になる予定です。このように、ブランドやお店のホームページという役割を超えて、LINE公式アカウントの機能がLINEヤフーをまたいだ統合的な「Business Profile」としてリニューアルしていきます。
最後に、メディアカンパニーCEOの片岡と広告プラットフォーム責任者の齋藤より、Yahoo! JAPANアプリとLINEアプリのリニューアル、リニューアルによって変わる顧客体験や広告体験についての紹介がありました。
メディアカンパニーCEO 片岡 裕
片岡:
Yahoo! JAPANアプリのリニューアルは、マスとパーソナルを両立させることに取り組みました。マスは従来のニュースに加え、ソーシャル上で流通している情報を「トレンド」として取り込みました。パーソナルは、関心がある情報を継続的に得られる「フォロー」、どこに住んでいて、どこの天気や交通情報が知りたいといったことや、個人の予定などを「アシスト」として提供しています。
さらに、LINEアプリのリニューアルも進めています。LINEアプリは多くのユーザーがコミュニケーションのために利用していますが、新たな発見が得られる場所、そして一気通貫で体験が完了できる仕組みを導入する、ディスカバー&アクションというものを検討しています。
MSカンパニー マーケティングPF統括本部 統括本部長 齋藤 菜津子
齋藤:
現在のユーザーは非常に多くの情報にさらされていて、その中で気持ちが多方面に動きやすい状況です。ユーザーに寄り添いながら、その瞬間に最適化された配信を行うことも大事ですし、近づいてきてくれたときにメッセージを配信するといった接続性も大切です。ユーザーに寄り添ったメディアの進化に合わせて、広告のプラットフォームも進化させていきたいと考えています。
本イベントのアーカイブは以下にて期間限定配信中です。お申し込みの上ご覧ください。
https://lin.ee/pl2YsYo/cmpn
※配信期間:2025年1月10日(金)まで
取材日:2024年11月26日 取材・執筆:LINEヤフー社内広報編集部
※本記事の内容は取材日時点のものです