研究から企画へ。社会的イン
パクトの実感に満ちたLIN
Eヤフーのプロダクトづくり
研究から企画へ。
社会的インパクトの実感に満ちたLINEヤフーのプロダクトづくり
出野泉花(での せんか) 2023年入社
LINE(現LINEヤフー)に新卒入社し、広告領域のプロダクト企画職として従事。これまでに予約型広告Talk Head View Premiumなどを担当し、現在は「LINE広告」と「Yahoo!広告」のディスプレイ広告の統合プロジェクトに携わっている。
※本記事は2025年8月に取材したものです。サービス名称や所属は取材当時の内容です。
広告企画ユニットの出野泉花です。高校の頃から理系科目が得意で、大学進学後は修士課程まで進み、生命科学領域の免疫系に関する研究に没頭していました。学部時代には就職も考えましたが、何より研究が好きだったので進学を選びました。
ただ、修士課程に進み研究のレベルが上がるにつれて、違和感も感じるようになりました。研究とは実験し、データを分析・考察し、仮説を生み出す試行錯誤のプロセスです。細胞や数値など無機質な対象を扱う点におもしろさを感じつつも、そこで得た知見が世の中に貢献できるものになるまでに膨大な時間がかかります。仕事として考えると人々の生活に貢献している実感をもっと速いサイクルで得たいという自分の志向には合わないと感じたのです。
研究の成果が製品になったり、サービスとして世に出るなど、そのインパクトを直に感じながら働きたいと思うようになり、修士1年のときに就職活動をはじめました。
会社選びの軸としていたのは「データ」「インパクト」「人」の3つです。サイエンス畑の出身として、データから物事を考え判断することを重視していましたし、当時のLINE社が保有するユーザーデータの規模やそこから生み出せる社会的インパクトの大きさには、強く惹かれるものがありました。
そして「人」です。企業文化は、そこに集まる人がつくるものです。どんな人たちと一緒に働くのか、その人たちと働くことで成長できそうか、モチベーション高く取り組み続けられそうか。大学院の研究室を選んだときと同じ観点を、会社選びでも大事にしました。
もともとLINEは、自分にとってあくまで「身近なアプリ」で、会社としては意識していませんでした。人から就職先として勧められ、展開しているさまざまなプロダクトを調べていくうちに広告領域に惹かれました。
広告は、ユーザーが興味や関心を持ったタイミングで適切なコンテンツが配信されることが理想です。この考え方は、もともと自分が関心を持っていた医療やヘルスケア領域における「必要なタイミングで必要な情報を届けるべき」という考えとも通じる部分があり、どう実現していくのか強く興味を持ちました。
広告主の入稿管理画面や、広告配信に関連するシステムのプロダクト企画を担当しています。もともと担当プロダクトは「LINE広告」のみでしたが、LINEとヤフーの合併を受け、「Yahoo!広告」のディスプレイ広告も担当するようになりました。現在は、この二つの広告プロダクトを統合するプロジェクトに集中しています。
プロダクト企画の業務は多岐に渡ります。担当した予約型広告Talk Head View Premium(※1)を例に、企画からリリース、運用までの流れを説明します。
※1 Talk Head View Premium : 「LINE」のトークリスト上部に表示されるバナーをタップすることで、全画面で動画広告の表示を行う広告プロダクト。詳しくはこちら
※Talk Head View Premiumの掲載イメージ
①企画 |
まずは企画の土台をまとめます。 |
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②要件定義 |
企画の実現に向けて開発やデザイナーと議論を重ね、ビジネス要件なども加味して仕様を検討し、資料に落とし込みます。 |
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③開発・リリース調整、販売準備 |
仕様が固まったら、いつまでにどのようなスケジュールで開発とテストを進めるか、開発チームやQAチームと調整します。同時にビジネスチームとも連携し、販売戦略や商品スペックの検討を進めてもらいます。 |
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④PoC(概念実証)と正式リリース後の運用 |
PoCをつくり、ユーザーに実際に使ってもらい、フィードバックをいただきます。 |
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Talk Head View Premiumのような大型プロジェクトを含め、常時5つ程度のプロジェクトを並行して動かしています。そのため一日のなかでは、関係者との会議や資料作成の時間が多くを占めています。
特に意識しているのは、「関係者全員の認識を合わせること」です。企画者ひとりの力では何もつくれないからこそとても重要な点で、プロジェクトの規模の大小に関わらず徹底しています。
認識を合わせる方法は、ドキュメントなのか、会話を重ねるのか、ワークショップなのかなど、最適解は相手によって異なります。私の関わっているプロジェクトでは、開発チームは「決定事項は資料にまとめてほしい」という傾向が強いですし、企画チームなら「時間をかけて議論したい」というニーズが高いです。それぞれの立場によって知りたい内容も異なるため、情報を取捨選択し、必要とする内容に整えて認識合わせを行うよう心がけています。
プロジェクトの規模が大きくなると、どうしても伝言ゲームのような状況が生まれ、認識がずれやすくなります。現在関わっている「LINE広告」と「Yahoo!広告」の統合プロジェクトのように、もともと異なる文化や歴史を持つ2つのプロダクトの統合ともなれば、前提となる考え方など多くの違いがあります。後々大きな混乱につながりかねないからこそ、どんなに大変でも、丁寧なすり合わせをないがしろにすることはできません。
プロダクト企画の役割とは、さまざまな立場の意見や問題点を集約し、プロジェクトの全体像を把握すること、そしてプロジェクトを前に進めることが重要だと思っています。さまざまな関係者を巻き込んで一緒に前に進められるように、日々試行錯誤しています。
仕事をしていて最も気持ちが高揚するのは、企画した機能がリリースされ、広告主から良い反響をいただいたときです。担当した企画が企業のマーケティング活動を変化させ、大きな売上につながるというビジネス的なインパクトを感じられるのは、LINEヤフーならではの醍醐味です。やったことの成果がすぐに数字として返ってくるサイクルの速さも、やりがいにつながっています。
こうした大きな達成感はもちろんのこと、日々の業務で「提案がうまくいって承認をもらえた」「ドキュメントをひとつ完成させられた」といった一つひとつの小さな成果を喜ぶ気持ちも大切にしています。
これまでに取り組んだプロジェクトのなかで最も難しかったのは、やはりTalk Head View Premiumでしょうか。規模の大きさはもちろんのこと、私がおもに担当している広告主側の画面だけでなく、広告が表示されるユーザー側の体験についても考える必要があったのが、特に難しかったポイントです。はじめての経験だったため、「こんなに細かいところまで仕様として決めるのか…!」と驚きを感じながら、いろいろな方とのディスカッションを重ねてなんとか形にしていきました。
この経験を経て、はじめて触れるプロダクトはスペックを細かにキャッチアップする姿勢が身につきました。また、ユーザー側の視点を知ることができたのも良い経験になりましたね。ずっと広告主側を担当していると、どうしても広告主のマーケティングの最大化ばかりを考えてしまいがちです。「ユーザーが広告を見てどう感じるか」を学べたことで、企画する際の視点に変化が生まれました。
加えて、SNSを通じてユーザーからの反響を直接知れるのも嬉しかったです。広告は企業のマーケティングを支援する仕組みとして提供していますが、ユーザーにとっては煩わしいと感じられることもあります。そんな中で、「推しの広告が出た!」といったユーザーの喜びの声を通じて広告のポジティブな側面に触れることができました。広告が“情報”ではなく“楽しさ”として受け取られる瞬間をつくれたことに、大きなやりがいを感じました。
入社して良かったと感じるのは、若手のうちから挑戦できる機会が多いことです。裁量を積極的に与える環境と、「やりたい」と手を挙げればそのチャンスを活かせる文化があると感じています。
私自身、入社1〜2年目で大きな広告プロダクトを担当させてもらいましたが、早い段階から自分の意思や仮説に基づいて挑戦できた経験が、成長につながりました。失敗を恐れず試行錯誤できる環境が整っているのも、LINEヤフーならではの魅力です。
成長した点として、この2年間でさまざまなプロジェクトを経たことで、複雑な状況を整理して言語化する力と調整力が身についたと感じます。ステークホルダーが複雑に入り組んでいる場面では 、相手が何を求めているのかを引き出し、その要求や認識をすべての関係者が理解できる共通言語に変換して提示する力が磨かれました。話す相手によって説明の仕方や提示する資料を変えながら、最終的な目標に向かって全員の足並みを揃えていく。このスキルは、プロダクトの企画者としてはもちろんのこと、ビジネスパーソンとして今後どこに行っても通用する力だと確信しています。
今後の目標として、まずはConnect One構想(※2)のもと、広告領域で成長しうる機能をどんどん企画していきたいです。LINEヤフーの広告プロダクトは、国内でもトップクラスの規模を持つ広告基盤です。だからこそ、まずはこの領域でできることをやりきってみたいですね。その先には、管理職としてマネジメント経験を積んでみたいという思いもあります。
ゆくゆくはヘルスケア系のサービスに挑戦してみたいとも考えています。ヘルスケアは、プロダクト単体で黒字化するのが非常に難しい領域だからこそ、広告領域で学んだマネタイズや市場分析の知見を活かし、社会に貢献できる仕組みづくりに携わってみたいです。
※2 Connect One構想: 「LINE公式アカウント」で企業やお店の総合的なビジネス支援を実現すること。詳しくはこちら
就職活動中のみなさんは、ぜひ「自分は何をして生きていきたいか」という問いを徹底的に深掘りしてください。大変ではありますが、考えた分だけ納得感のある会社と出会うことができると思いますし、それがLINEヤフーであればとても嬉しいです。
プロダクトの企画という仕事は、ものづくりをしたい方や、ユーザーのフィードバックを踏まえて改善していくプロセスに興味がある方、大きなことを実現してみたいという方におすすめです。興味を持っていただけた方は、ぜひ応募をお待ちしています。