「判断には意志を持て」 6
年で営業部長へ。信頼とデー
タを糧に、挑戦を楽しむ働き
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「判断には意志を持て」 6年で営業部長へ。
信頼とデータを糧に、挑戦を楽しむ働き方
永田 咲紀(ながた さき) 2018年入社
営業職としてヤフー(現 LINEヤフー)に新卒入社し、「Yahoo!ショッピング」に配属。家電製品・ホビー領域を担当したのち、2020年にヘルス・ビューティー領域に異動し、メーカー開拓推進に務める。2022年にリーダーに抜擢され、同領域の拡大に尽力。2025年に営業2本部ライフファッションカテゴリ部の部長に就任。
※本記事は2025年8月に取材したものです。サービス名称や所属は取材当時の内容です。
営業2本部ライフファッションカテゴリ部 部長の永田咲紀です。
高校生のときに物理が好きで、理系の進路を志望していました。物事の原因を突き止め、仮説を立て、解決策を導き出し、数字を根拠に説得力を生む。このプロセスは、今の営業の仕事にも通じる部分だと思います。大学では経済学部を専攻しましたが、「数字を軸に物事を捉える」という点では理系と共通しており、社会や人を対象にその視点を応用する学びを得ることができました。その過程で、さらに自身の価値観や視野を広げたいと考え、海外にも目を向けるようになりました。
最初の海外経験となったのは、ニューヨークの国連本部での短期研修です。機会を得て現地に滞在しながら、初めて世界平和という課題やその課題に取り組む人たちに触れ、視野が大きく広がりました。その後、ロサンゼルスの会計事務所で約1ヶ月間のインターンシップも経験しました。
海外での経験から得たのは、社会貢献への意欲や「自分には相手の心を動かす力=営業力が足りない」ということでした。ただ伝えるだけではなく、相手の認識を変え、納得のうえで一歩を踏み出してもらう。そんな力を身につけたいと思うようになりました。
そのときに出会ったのがヤフー(現 LINEヤフー)です。ビッグデータを活用した提案の可能性、そして震災後の取り組みから伝わってきた「社会にとって本当に必要な存在」であること。そこに惹かれました。営業という仕事を通じて、世の中の役に立ちたいという想いと、自分に足りない力を成長させたいという想い。その両方を満たせる場として、ヤフーを選びました。
「Yahoo!ショッピング」の営業2本部ライフファッションカテゴリー部の部長として、計30名ほどが所属する2つのチームをマネジメントしています。部のミッションは、ファッションや食品などを扱う小売店やメーカーを対象に、 GMV(流通取引総額)および広告売上を最大化すること。具体的には、営業戦略の立案から実行、クライアントとの商談、そしてメンバー育成やキャリア支援まで幅広く手掛けています。また自部門にとどまらず、他本部と連携しながらより強い営業組織を目指して取り組んでいます。
特に大切にしているのは、メンバーとの1on1の時間です。出社拠点が異なるメンバーも多く、物理的に顔を合わせられる機会が限られるうえ、業務上はリーダー経由でやりとりが中心になりがちです。だからこそ、どれだけ忙しくても、なるべく顔を合わせて話すようにしています。雑談だけでおわることもありますが、「自分のことを遠い存在だと思ってほしくない」という思いもありますし、チームとして同じ目標に向かって進んでいくためにも、コミュニケーションの頻度と質は重要だと考えています。
管理職になってから最も意識しているのは、「自分の判断には責任と意志を持つこと」です。私自身がなぜその方針を選んだのかを明確に示し、結果に責任を持つ姿勢を見せることで、メンバーは安心してついてきてくれると考えているからです。そのためにも、中長期的な方針から会議の目的にいたるまで、どんなに細かいことでもひとつひとつ意志を持って判断するよう心がけています。
これは、私自身がこれまでにさまざまな上司のもとで働いてきたなかで学んだことのひとつです。プレイヤー時代を振り返ると、彼らの人間性や意志、思いが見えたときにこそ「この人についていきたい」と感じ、行動を起こすことができました。当時の私が投げかけた現場目線の疑問に対しても、受け流すのではなく、しっかりと向き合って自身の考えを話してくれた上司の姿が、今も強く印象に残っています。
一方で、プレイヤー時代から一貫して意識していることもあります。ひとつは「社内外問わず、相手の視点に立つこと」です。どんな相手とも円滑にやりとりするには、相手の状況を考えてコミュニケーションを取ることが大切だと考えています。もうひとつは、「信頼してもらうこと」です。約束を守る、期待を超えるアウトプットを出す、フィードバックを積極的に求めにいくなど、「この人と一緒に働きたい」「次の仕事を任せたい」と思ってもらうためにどう行動すべきかを常に考えています。
これらの点で思い出すのは、入社2年目のある商談終わりに、帰り道に上司から「詰めの甘さがあるから、もっと細かい部分を突き詰めたほうがいい」と開口一番で商談に対するフィードバックをくれたときのことです。あまりに心に刺さったのか、そのときの光景は今でも鮮明に覚えています。それ以来商談に行く際は、徹底的に調べきってからのぞむようになり、それがいまの成果につながっています。
プレイヤー時代に参加した、「PayPayモール」(2022年10月「Yahoo!ショッピング」に統合)立ち上げ時の営業プロジェクトが特に印象に残っています。新しいモールが目指す世界観を理解したうえで、自身が担当する多くのクライアントにご出店いただけるように、データを活用して提案をし続け、多くのクライアントにご出店いただくことができました。出店後、売上が上がったクライアントと喜び合ったことも覚えています。
また、その成果をもとに広告プロダクトの提案も並行して行い、営業本部全体での拡販につながるスピード感ある展開が実現できたことも、自分としては大きな手応えでした。
この成果によって、部長賞をいただいたのも嬉しい思い出です。運も良かったのですが、人一倍成長意欲を持ち、数字にこだわって取り組んできたからこその成果だという自負もあります。
ただ、はじめからこのような成果をあげられたわけではなく、目標達成の仕方がわからずに悩んだ時期もあります。それでも、さまざまな上司との出会いを糧にしながら、自分自身で数字をつくり出す方法を少しずつ確立してきました。たとえば、利益率が厳しい家電カテゴリを担当していたときには、慣例的な判断の前提を疑い、どうすれば可能かを定量的に仮説立てて証明し、クライアントを説得するようにしました。手数料や損益分岐点などネックとなるポイントをヒアリングして可視化し、相手の考えを深堀りしながら突破口を一緒に模索する。これが、私なりの成功パターンになっていきました。
一方で、管理職になってからはまた違う難しさに直面し、はじめは本当に苦労しました。自分の意志が先行しすぎてしまったり、現場に介入しすぎたりして、なかなかメンバーに任せきれなかったのです。たとえば、メンバーがまだ経験の浅いうちは「成功させなければ」という気持ちが強くなりすぎて、つい先回りして指示を出したり、細かく口を出してしまうことがありました。ただ、それではメンバーの自発性を引き出せないばかりか、「自分の仕事を管理されている」と感じさせてしまうと気づきました。そこで、メンバーの特性や強みを誰よりも理解したうえで、少しずつ"任せる"というスタンスを意識するように変えていきました。たとえ時間がかかっても、メンバーが自分で考えて動くことを尊重し、対話の中で方向性をすり合わせるようにしました。
結果として、メンバーひとりひとりが成長しようと努力してくれるようになり、今の職について3年目となる現在は、私が介入しなくても目指す方向へと自立的に動ける強いチームになってきました。メンバー全員が数字をつくっていくことを楽しんでいるのを見ると、本当に「頑張ってよかったな」と感じます。
特に役職が変わるタイミングで、自身の成長を実感してきました。プレイヤー時代は自分の業務範囲のことしか見えていませんでしたが、リーダーになって責任を持つ範囲も変わり、サービス全体や組織としての最適な判断を考える視点が身につきました。
リーダーになってそういった変化があったことが、部長職への挑戦にもつながりました。そして現在は、組織やサービスをより俯瞰して見る力が、日々の仕事の中で求められていると感じています。
「向かうべき方向から外れてしまっているな」「このチームとの交渉が発生しそうだな」などと状況を俯瞰して捉えられるようになってきたのを感じますし、エンジニアやマーケティングなどの他チームと議論する機会も増えてきています。
もちろん私自身に求められることも、全体最適を考慮した判断をすることへと変わりつつあります。営業メンバーにとって辛い判断をせざるを得ない場面もありますが、そういう時こそ「なぜそう判断するのか」を丁寧に説明し、現場とのコミュニケーションを欠かさないように心がけています。部長はどうしても現場から距離が遠くなってしまうものですが、こうしたコミュニケーションを大切にすることで、現場の直面している課題にも常に触れるようにしています。
何より扱えるデータ量の多さが魅力です。思い描いた仮説を、実際に検証できるだけのデータにアクセスできることは、想像以上に楽しく、大きな価値があると感じました。
また、良い意味で驚いたのは、入社1年目から大きな裁量を持たせてもらえることです。はじめは上司や先輩のサポートをしたり、提案についていくものと思っていたので、入社してすぐに「自分で考えて提案していいよ」と言われて驚きました。先輩に頼ることも多かったですが、おかげで成長スピードはとても早かったと思います。入社前に自身に足りないと感じていた「営業力」も、相手の立場で考え、伝え方を考え、丁寧にコミュニケーションをとる経験を積み重ねるなかで、身に付けられたのではないかと思います。
「Yahoo!ショッピング」とその営業組織に対しては、やはり強い思い入れがありますし、メンバー全員に「ここで働いた経験がキャリアの糧になった」と誇りに思ってほしいです。そのためにも、まずは組織としてのあるべき姿を追求しつつ、ユーザーにとってより良いショッピング体験になるように、クライアントを通して実現できることを最大限達成していきたいです。
直近では、AIの活用にも力を入れています。営業プロセスの効率化や改善はすでに進めており、現在はもう一歩先の課題解決のフェーズに差し掛かっています。今後は、個々の営業スタイルに頼りがちな部分をなくし、組織全体のレベルを底上げできるような取り組みを進めていきたいです。
LINEヤフーの大きな強みは、人々の生活に深く根付いた多種多様なサービスを展開していること。各サービスがそれぞれ強くなるだけでなく、互いに連携し合うことで、今後ますますなくてはならない存在、そして人々に愛される存在になっていくことを期待しています。
営業視点での話にはなりますが、個人的にはクライアントに対してサービスを横断したもっと総合的なソリューション提案ができるようになると、さらに魅力的なものになると考えています。それぞれのサービスが持つさまざまなデータを連携することで、今以上にクライアントの課題解決に貢献し、おもしろい未来を一緒につくっていけるのではないかと感じています。
LINEヤフーは、誰もが知るサービスからニッチなサービス、そして人々の生活を守るサービスまで幅広く展開しています。それぞれのサービスが個々に強みを持ちながら連携することで、より大きな価値を生み出せる会社だと思います。そんな胸が踊るような未来に挑戦できるのはもちろん、性別や年齢に関係なく個人の成果や思いを評価し、チャンスを与えてくれる環境もあります。私自身もこれまでのキャリアを振り返ると、目の前の仕事にひたむきに向き合い、挑戦し続けることで、その成果を認めていただき、次の成長の機会に巡り合ってきました。自分らしい挑戦をつかみ取れる環境がLINEヤフーにはあります。興味を持った方は、ぜひ応募してみてください。