ブランドとプロダクトの魅力
を伝える映像を。躍進する若
手モーションデザイナーの飽
くなきパッション
ブランドとプロダクトの魅力を伝える映像を。
躍進する若手モーションデザイナーの飽くなきパッション
稲垣 佑真(いながき ゆうま)2023年入社
LINE(現 LINEヤフー)にモーションデザイナーとして新卒入社。プロダクトのブランドコンセプト映像、イベント映像、広告映像などの映像制作に従事。
※本記事は2024年11月に取材したものです。サービス名称や所属は取材当時の内容です。
2023年にモーションデザイナーとして新卒で入社し、LINEヤフーおよび、そのプロダクトに関するブランディングやプロモーション映像などを制作しています。
映像は子どものころから好きで、勉強の息抜きに好きな作品を何回もリピートして観るのが日課でした。ミュージックビデオやアニメーションが好きで、映像を通じてその魅力を表現することに惹かれていました。僕のつくるアニメーションは、当時見ていた作品から大きく影響を受けていると思います。
大学では経営学を専攻しており、映像制作やデザインは趣味として楽しんでいたのですが、徐々にそれらを大学でも生かせないかと考えるようになりました。きっかけは、2020年春、新型コロナウイルスの影響による外出自粛で、大学のサークル活動ができなくなったタイミングです。僕も文化系サークルの一員だったため、大学の後輩や新入生に自分たちの魅力を伝える機会が失われることを懸念していました。この状況を受けて、自分でも何かできないかと考えたことが、大学で映像制作を始めるきっかけとなりました。
そこで、大学内の複数の文化系サークルと連携し、映像の力を使って各サークルの魅力を発信するプロジェクトを立ち上げました。この活動が大学の広報課に届き、その結果、大学のプロジェクトとしても依頼を受けることにつながりました。その後、学内で映像制作やデザインに関わる機会が増え、大学の統合によって新設された学部を紹介するブランディングムービーの制作などの大きなプロジェクトにも関わることができました。嬉しいことに、そのときつくった映像は今でもホームページ上で見ることができます。
こうした活動を通じて、「自分はプロダクトの魅力を、映像やデザインを通じて伝えることが好きなんだ」と気づいたことが、入社のきっかけになりました。就職活動では、新卒でモーションデザイナーを募集している事業会社をメインに探していたので、ちょうどLINE(現 LINEヤフー)でぴったりの募集を見つけたときには運命を感じましたね。発信する映像は、革新的で「こんな映像をつくりたい」と感じるものばかりでしたし、「こんな映像をつくれるモーションデザイナーがいるチームに入りたい」という憧れのような気持ちもありました。同時に、大学の授業でプロダクトデザインについて学ぶなかで「LINE」についてもリサーチしており、シンプルかつしっかりブランディングされた理想的なプロダクトだと感じていました。
Motion Graphic Designチームはリーダー1名、メンバー6名の計7名で構成されています。プロジェクトではチームメンバーと連携して作業を行うことが多く、メンバーそれぞれの強みや弱みを踏まえ、担当パートを毎回ローテーションしながら取り組んでいます。
直近のプロジェクトとしては、2024年10月に、LINEヤフー合併1周年を記念するイベントのオープニング映像を制作しました。イベントを企画するチームからの依頼を受けた後はヒアリング、スクリプト(文字コンテ)、ストーリーボード(絵コンテ)、ラフカットの制作を行います。その後、サウンドチームにサウンドの依頼を行い、ディレクションを進めながら本制作に入る...という流れで納品まで行います。今回、僕はストーリーボードの制作から納品までを担当しました。
ストーリーボードの制作では LINEヤフーのグローバルなカルチャーを表現するため、さまざまな言語のテキストを出現させる表現を採用しました。ちなみにストーリーボードを描く際は、演出の意図を伝えやすいので大抵手描きで行います。入社前は絵を描くことが苦手であまり描いていませんでしたが、入社してからはその大切さを実感し、伝わるものを描けるよう努力しています。
Motion Graphic Designチームは、さまざまなスキルやバックグラウンドを持つメンバーの集まるチームです。入社したばかりのころは「やっていけるだろうか...」と不安な気持ちもありましたが、先輩が過去のプロジェクトファイルを参考として共有してくれて、とてもフォローが手厚く安心したことを覚えています。ほかにも、部署単位での共有会や新卒デザイナー研修、1年間のオンボーディングプログラムなど、多くを学べる環境が整っています。優秀なチームメンバーと一緒に実務を通じて技術を磨けるため、新卒で入社した僕にとっては本当に頼もしい環境であり、成長しがいのある場所だと感じています。
1日の時間の使い方で大切にしていることは、ふたつあります。ひとつは、朝9時半に必ず出社して、午前中にその日のタスクを消化すること。映像制作には頭と目を使うので、午前中にやりきった方が効率が良いと感じています。
そしてもうひとつが、業務終了後に自主学習・自主制作の時間をとること。1日を過ごす間に、いいなと感じるものを見つけたり、表現のアイデアもたくさん生まれたりします。仕事の後にそれらを自分の中に落とし込み、何かに生かせないかと試行錯誤し、自身の武器としてストックにする…まさに「ネタ帳」づくりみたいなものですね。僕自身はまだ個性や作風といえるようなものを持っていないと思っているので、さまざまな演出方法やアイディアを集めて吟味することを、仕事としても趣味としても楽しんでいます。
一貫して「シンプルであること」を心がけています。映像と聞くと派手なイメージを持つ方もいるかもしれませんが、僕たちは「ユーザーに正しく簡潔に伝えること」に重きを置いています。ものによっては「そもそも動きをつけるべきか?」と悩むくらい、その点を重視しているんです。
実は学生時代に「ごちゃごちゃしすぎだね」と言われたこともあったのですが、LINEヤフーでの経験を通じて、あらためてモーションデザイナーの仕事は単に動きをつくるだけではないのだと痛感しました。ユーザーに正しく過不足なく価値を伝える仕事であり、そのためにもなるべくシンプルにすることを意識しています。
最近もっともおもしろいなと感じたのは、TVCMや渋谷の3Dビジョン広告など、大きな影響力を持つ媒体を使ったプロジェクトです。こういった大きな挑戦ができることにとてもわくわくしましたし、若手の僕でもパッションがあれば最後までやりきれるんだと実感しました。
ちなみにTVCMの制作は、「稲垣君は情熱があるし、きっと向いていると思う」とアサインしてもらったのですが、それまでチームに対してさまざまな提案をしてきたことが功を奏したのではないかと思っています。「こういう映像が流行っているので、つくってみませんか?」「こういう新しいツールがあるので、こんな表現をしてみませんか?」と情報共有してみたり、「チームで制作した映像作品のリールをつくって社内に共有しませんか?」と提案してみたり。少しでもチームに貢献できればと思ってやってきたことや熱意を感じ取っていただけて、嬉しかったです。
一方、もっとも難しかったプロジェクトは、2023年10月開催「LINEヤフー BIZ Conference」オープニング映像の制作でしょうか。入社数ヶ月でアサインされたのですが、とても規模が大きく、しかもLINEヤフー合併後初のお披露目的な側面も持つイベントだったため、その映像制作は本当に大変でした。
このプロジェクトは、まず「LINEヤフーのトーン&マナーとは何か?」を考えるところからスタートしました。合併によるわくわく感や期待感を取り入れたインパクトのある映像を目指す方向性と、LINEヤフーのブランディングを反映したシンプルな映像にする方向性、このふたつを両立させるのは特に難しかったです。
僕はストーリーボードとモーションデザインを担当しましたが、何案もつくってはボツになるなど、本当に試行錯誤の連続でした。「難しいかもしれない…」と思うことも多々ありましたが、なんとか完成させることができたのは、上長からのアドバイスや、先輩デザイナーのサポートがあったから。チームでつくるからこそできた映像だと思いますし、ここでもやはり「シンプルであれ」が大切な指標となりました。
大変ではありましたが、このプロジェクトを経たことで、制作上のコミュニケーションにおける提案力が鍛えられました。たくさんのボツを繰り返したからこそ、指摘された部分に対してすぐに修正案を提案したり、演出意図を端的に言語化して伝えられるようになったり、大きく成長できたのではないかと思います。
さきほどの「LINEヤフー BIZ Conference」は、大変でしたがまさに「入社して良かった」と感じたプロジェクトです。イベントを企画するチームの方にラフカットを見せたときに「完成が楽しみです!」「何度も見ています!」と言っていただけたのも嬉しかったですね。そういった声がモチベーションにつながっただけでなく、部署は違えど同じ会社の一員としての一体感も感じることができました。
また、イベント本番もとても印象に残っています。当日、僕自身の仕事は終わっていましたが、リハーサル中から非常に緊張していました。本番になり、映像が流れるタイミングが来て、大きな会場のスクリーンに自分の作った映像が流れる...そこで、人生で一番と言えるほどの大きな拍手をいただいた瞬間、自然と涙が溢れてしまいました。「僕もLINEヤフー合併の瞬間に関われたんだ」と、心から嬉しかったですね。
やはり、映像の企画や演出提案から納品までチーム内で行うことができるのは、LINEヤフーという事業会社のインハウスチームだからこそだと思います。まだイメージが定着していないプロダクトやブランドについて相談されることも多いので、担当部署の方々が実現したいことを僕たちが絵にして提案し、演出に落とし込んでいくことが求められます。僕は手を動かすことはもちろん、演出を考えたり、「ユーザーに届けるにはどうしたら良いか」を考えることが好きなので、それができるのはLINEヤフーだからこその魅力だと思っています。
加えて、社会的影響力の大きなLINEヤフーという会社のプロダクトに携われること自体、大きな魅力だと思います。これまで関わっていた「LINE」ブランドのプロダクトだけでなく、「Yahoo! JAPAN」ブランドのプロダクトにも関われるので、本当に幅広いジャンルを経験できます。アウトプットに関しても、ブランドコンセプト映像からイベント映像、プロダクトのTVCMなど、さまざまなタイプの映像の依頼があるので、毎回新鮮な気持ちで取り組んでいます。「インハウスでは、つくるものが限られてしまうのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。
チームメンバーはみなさん、新しいツールやノウハウなどの学びを常に吸収する姿勢を持っている方ばかり。僕も「在籍するからにはどんどん成長していかなければ」という気持ちで取り組んでいます。「学び足りない」なんてこととは無縁で、自分次第でいくらでも成長しつづけられる環境があるのも魅力だと思います。
2年目に入り、映像の企画段階からメインで担当できるようになるにはどうしたらいいかを考えるようになりました。ユーザーに情報を端的に伝えるには、やはりまずは良い企画をつくることが必要なため、その方針を決めるディレクション力を磨きたいと思っています。また、最近でははじめて、実写映像の演出にも挑戦しています。プロジェクトを通じて、新しい試みや表現手法にどんどん挑戦していきたいです。
そういったことを積み重ね、今後はLINEヤフーのプロダクトのブランディングの先頭に立てるようになっていきたいですね。合併以降、ブランディングを担当するプロジェクトが増えて、非常にわくわくしています。LINEヤフーのブランディングはまだまだ完成されているわけではなく、まさに今つくりあげている段階。そういったなかで、若手である自分がどれだけ新しい風として貢献できるか、とにかく頑張りたいです。今後LINEヤフーのさまざまなプロダクトがつながってシナジーを生んでいくと思うので、映像を通じてその魅力を伝えていくことで、成長に寄与できればと思います。
モーションデザイナーという職種のメンバーが社内にいる事業会社は、そう多くはありません。LINEヤフーのさまざまなプロダクトの魅力を、デザインと映像を通じて伝えることはとても重要で、そしてやりがいのある仕事だと感じています。共感してもらえる方がいたら、ぜひ一緒にチームのメンバーとして働きましょう!