遊び心を大切にしつつ、常に
「問い」と「解」を意識する
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遊び心を大切にしつつ、常に「問い」と「解」を意識する。
小暮 拓登(こぐれ たくと)2013年入社
ヤフーに入社後、データアナリストとして「Yahoo!広告」の広告主であるクライアントに対してマーケティング施策の立案、「Yahoo! JAPAN データマーケティングソリューション」の開発・環境整備の推進に従事。
※この記事は、2022年に取材・掲載したものを一部修正して再掲載しています。サービス名称や所属は取材当時の内容です。
データ分析チームのマネジメントを担当しています。
キャリアとしては、広告効果の検証業務から始まり、どういうところに広告を打てば良いのかの課題に日々向き合ってきました。広告主は主に自動車業界やエンターテインメント業界など。これまでにもさまざまな業界を担当しました。
このときは、各社ごとに異なるマーケティング課題について、ヤフーのデータを用いた解決策を提案してきましたが、現在はより裾野広く、多くの広告主にデータ分析サービスを提供できるよう、データマーケティングソリューションの開発・環境整備を推進しています。
これまではアンケートデータを用いて広告の認知効果を出す業務も実施してきましたが、現在はヤフーのデータを使って改修セグメントをつくる業務も多くなってきました。ユーザーのペルソナを定義して広告を配信しようとする場合、ニーズと一番親和性の高いデータをペルソナから逆算して探す仕組みを考えて、ソリューションを作っています。そういった多くの人を巻き込みながら提案したさまざまなソリューションを評価してもらい、リーダーに起用されました。
業務上の課題が時代とともにシフトしていく点が、業界の最先端ゆえの刺激だと思っています。データ活用の歴史を振り返ると、以前はそもそもデータがまったく存在していなかったですし、あったとしても「日記」のように構造化されておらず、後世の人が恩恵を受けにくい状況でした。
生活の記録が電子データに置き換わりはじめているいまの時代こそ、これらデータをいかに活用し、後世に知見を還元していくべきかが、いまの時代に生きている私たちが出すべき答えであり、課題だと思います。そういった抽象度が高く、難解なテーマに取り組むことにやりがいを感じています。まさに、新しい世界を自分が切り開いている感覚ですね。
遊び心を大切にしていますね。必要なことに最小限で取り組むスタンスも良いのですが、最先端の世界で刺激を受けるためには、ある程度遊び心を持って広げることも大切だと思っています。会議で、「自分はちょっとおもしろいと思うけど皆に受け入れられるかどうかわからない」というアイデアを言えるかどうかは、その場の空気感次第だったりしますよね。皆が提案しやすい空気をつくることが大切ですし、さまざまなアイデアをおもしろがれるのが「遊び心」だと思うのです。
「これおもしろそうだからやってみた」という仕事をメンバー全員から引き出せるようにすることで、組織の推進力になります。また、自己研鑽も欠かせません。私の部署では就業時間の5%を勉強する時間に充てています。私自身は大学のころに統計学を学んでいましたが、実務のなかで理論面を強化したい思いに駆られ、統計検定を勉強してきました。
最も便利なのは、コワーキングスペースが会社の予算で利用できることです。私は、仕事場を物理的に変えることでアイデアが湧きやすいタイプなので、自宅周辺や旅先など、全国にあるコワーキングスペースで仕事ができる選択肢があるのはとてもありがたいです。当日の予約でも使える制度なので、働き方の自由度が高まります。
併せて、これは独自の制度ではありませんが、育児休暇を取れたこともとてもありがたかったです。マネージャーになってしばらくたったタイミングで、1カ月半程取得しました。
3カ月間取得したメンバーもいたので、もっと長くても良かったかなと今では思いますが(笑)。育児休暇を取る男性社員は社内でもどんどん増えていますし、世の中的にも子供との時間をしっかり取りたい男性も多くなっていると思うので、育児休暇を男性もしっかりと取れる社風があることが嬉しいですね。
わかりやすい形のキャリアというのは厳密には描けていませんが、データをいまより生かすための取り組みにはこれからも携わっていきたいです。データ分析は未知の分野で、ロールモデルがわかっていないと言われています。だからこそ、データアナリストという肩書きに縛られるのではなく、さらなる発展に向けた新しい役回りをつくっていきたいと考えています。
LINEヤフーには良い人が多く、風通しも良いほか、いろいろな事象が性善説で回っているのが魅力の会社です。大人数な組織ですが、ルールでがちがちに縛るのではなく、裁量がゆだねられているのも働きやすさの理由です。
データアナリストは技術系の仕事ですが、文系の学部だからなれないというわけではありません。データ分析はあくまで手法でしかなく、本当に必要な素養は課題を特定する力だと思います。
自分は何を解きたいのかを常に意識し、心のなかに「問い」を持つと良いと思います。それはデータとは関係のない身近なことでも可能で、たとえば学生のサークル運営でも「何を解決しないといけないんだっけ」と意識してみてください。
統計学には「互いに排他的すなわち重複がなく、かつ全体として網羅的(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)」という用語がありますが、まさに、「もれなくダブりなく施策を洗い出せているか」を意識するのが良いと思います。
加えて、社内で長く取り組める仕事を見つけると良いと思います。好きなことだけの基準では仕事を探しにくいかもしれませんが、嫌いじゃないことを基準にしてみるのもひとつです。まずは試しにやってみて、それが数年後、好きになれる仕事になったら、それはすてきなことだと思います。最近では、早期リタイアや転職によるステップアップの話をSNSなどでよく耳にします。もちろんそれらも一つの選択肢ですが、中長期的な楽しみも見つけられるとよりオリジナリティーのある仕事ができるのではないでしょうか。就職活動を通して、みなさんが長く愛せる仕事に出合えることを願っています。