こんにちは。LINEヤフービッグデータレポートチームです。
今年は夏から秋にかけて全国的にカメムシが大量発生し、多くの都道府県で注意報が発表されました。自宅周りなどで実感した人も多かったのではないでしょうか。例年に比べてどのくらいカメムシに注目が集まったのか、ビッグデータで振り返ってみました。
まず、「カメムシ」の検索量を直近の4年間で比較してみましょう(図1)。
2023年は9月から11月にかけて例年にない伸びを示しています。1月から11月までの合計を年度比較したところ、昨年の2倍以上であり、過去4年間の中でも突出していることがわかりました。カメムシの発生には隔年性があり、数が多い表年と少ない裏年が交互にくると言われています。実は2023年は裏年にあたるのですが、異例の注目度合いです。なお、過去には春夏に注目が上がった年もあったようです。
資料:Yahoo!検索
これがどれくらいの量なのか、昆虫の王様「カブトムシ」と比較してみました。カブトムシの検索量は毎年夏場に盛り上がります。例年ですと、カメムシの山の高さはカブトムシには及びません。しかし今年はダブルスコアでカメムシが上回っています。
また、各年10月の関連検索ワードを見たところ、2023年は「大量発生」が1位。「対策」「臭い 消し方」などの定番の検索ワードに加え、「いつまで出る」というワードが印象的です。カメムシに悩まされた皆さんの嘆息が聞こえてくるようですね。
(最小値を1とした指数。関連検索ワードランキングは各年の10月実績)
資料:Yahoo!検索
地域差はあったのでしょうか? 図3は10月のカメムシ検索の特徴度を都道府県ごとに比較したマップを4年分並べたものです。特徴度とは単純な検索量の大小ではなく、そのエリアで特徴的によく検索されていたことを表す指数です。色が濃いほど特徴度が高かった都道府県です。2022年までは埼玉と神奈川が高い傾向があるようですが、2023年は傾向が異なり、関西、特に大阪と兵庫が顕著に高いです。また、直近4年の中では最も検索量が少なかった2022年は北海道が高めでした。毎年、何らかの傾向の違いが見られるようです。
資料:Yahoo!検索。特徴度=各エリアの中でどのくらい特徴的に検索されているかをスコア化したもの
近年でも特異な動きを見せていた2023年、各エリアのピークに違いはあったのでしょうか。今年6月を基準とした変化を各地方で比較しました。全国的には10月が検索量のピークですが、関西は少し早めに9月に大きな山を迎えていました。
四国、九州沖縄も9月がピークであり、西日本では注目が高まる時期が早めだったようです。
(日次平均、2023/6を基準とした指数)
資料:Yahoo!検索
では今年の動きをもう少し細かく見てみましょう。図5は2023年6月を基準とした検索量の変化を都道府県別に色分けしたものです。
立ち上がりが早かったのは関東から中部にかけてのエリアで、8月には多くの都道府県で色がつき始めています。一方、関西は9月10月に突如として大きく伸びていました。ひと月遅れて山陰では10月11月に大きな波があり、12月に入ると全国的におおむね沈静化したようです。
(日次平均、2023/6を基準とした指数)
資料:Yahoo!検索
一説には夏場の気温の高さや、餌となる杉やヒノキの実が豊作であったことが今年の大量発生の要因とも言われています。虫に罪はないとは言え、困った現象でした。
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文・図/LINEヤフービッグデータレポートチーム