ビッグデータ分析で日本の「祝い」を解き明かす

ビッグデータ
白地に黒い文字で「ビッグデータ分析で日本の『祝い』を解明する」と書かれた画像。右下には青色の波形を示す虫眼鏡のアイコンが配されている。Yahoo! JAPAN ビッグデータレポートのタイトル画像。

こんにちは、「Yahoo! JAPANビッグデータレポート」チームです。

新型コロナ感染拡大が日本に与えた影響は計り知れません。外出自粛などにより人と直接会う機会が減った人も多いのではないでしょうか。
しかし、そんな中でも時間や生活が止まるわけではありません。そして人々の人生が進むにつれて必ず発生するのが、人生の節目やライフステージの変化においての「お祝い事」ですね。
今回のビッグデータレポートでは、こんな時期だからこその人と人とのつながりを再認識させてくれる「祝い」について調べてみました。

祝いを体系化する

そもそも、日本にはどのようなお祝いが存在するのでしょうか?
まずは、昨年1年間の中で「祝い」を含んだ検索キーワードをすべて集め、検索数が一定数以上でフィルタを行ったうえでのすべての言葉をクラスタリングしました。これによって日本におけるメジャーなお祝いとはどんな種類があるのかを分類、体系化してみました。なお「祝い」を含まないがお祝い事である言葉(誕生日など)や内祝いなどは今回対象外としています

主な「お祝い事」の大カテゴリ別検索数ツリーマップ

日本における主なお祝い事の大カテゴリ別検索数を示すツリーマップ。年齢に関するお祝いが35.4%で最多、次いで子供関連が29.5%。その他、暮らし、結婚、学校、体調、会社、お店などのカテゴリが含まれ、それぞれの割合が視覚的に示されている。
資料:Yahoo!検索 集計対象期間:2019年年間(以下同)

まずは大分類を行ってみました。その結果、還暦や喜寿といった「年齢」に関するお祝いの検索ボリュームが多いようです。その理由としてはやはり、還暦以降、年齢の節目ごとにお祝いするタイミングがたびたびやってくることにありそうです。
2番目には「子供」です。妊娠や出産のタイミングもそうですが、生まれた後もお祝いする機会が何度となくあり、子供とお祝いは切っても切り離せない関係だと言えそうです。
以下、「暮らし」「結婚」「学校」と続きました。

それではいくつかのカテゴリの中身も見てみましょう。まずは一番検索ボリュームの多い「年齢」から。

「年齢」お祝いカテゴリの小分類

年齢に関連するお祝い事の小分類を示すツリーマップ。70歳の古希祝いが31.0%で最も多く、次いで77歳の喜寿が15.9%。還暦、傘寿、米寿などの年齢節目の祝いが続き、各年齢における祝いの重要性と頻度が視覚的に示されている。
資料:Yahoo!検索

「祝い」を含む検索キーワードという条件下ではありますが、70歳の古希祝いがもっとも多く2番手の喜寿祝いの倍近いボリュームでした。おそらく歴史的には最大のお祝いの一つであった還暦に関しては、長寿が一般化した現在3番目、それ以降も各年齢の節目によるお祝いが続きます。そのため、合計すると最大カテゴリとなりやすい条件とも言えます。

「暮らし」お祝いカテゴリの小分類

暮らしに関連するお祝い事の小分類を示すツリーマップ。新築祝いが59.7%で最多、次いで引越しが25.8%。新居、上棟、地鎮祭、改築などの関連するお祝いが視覚的に示され、暮らしにおける重要な節目が強調されている。
資料:Yahoo!検索

「暮らし」カテゴリは圧倒的に新築祝いでした。それに続くものもほとんどが家または引越しに関するものが大半を占める結果となっています。数は少ないですが、リフォームのお祝いというのもあるようです。

「会社」お祝いカテゴリの小分類

会社に関連するお祝い事の小分類を示すツリーマップ。就職祝いが33.4%で最も多く、次いで退職が19.9%。昇進、社長就任、定年、事務所開きなどの多様なお祝いが視覚的に示され、職場での重要な節目が浮き彫りにされている。
資料:Yahoo!検索

分析して改めて感じましたが「会社」というのはお祝いととても強いつながりがあるようです。ツリーマップの結果を見てもわかる通り、本当にいろいろなタイミングでお祝いがあることがわかります。その中でもやはり一番ボリュームが大きかったのは「就職」のお祝いでした。

「国・政治」お祝いカテゴリの小分類

国・政治に関連するお祝い事の小分類を示すツリーマップ。選挙事務所開きが43.2%で最多、選挙当選が23.1%。叙勲、勲章、受勲などの関連するお祝いが視覚的に示され、政治における重要なイベントが強調されている。
資料:Yahoo!検索

数は多くありませんでしたが、「国・政治」カテゴリの中はこのような分類となっています。「選挙事務所開き」祝いというのが実はかなりボリュームがあることがわかり、確かに選挙事務所といえば祝いの花などをよく見かけるイメージがあります。

「その他」お祝いカテゴリの小分類

その他のカテゴリに分類されたお祝い事の小分類を示すツリーマップ。祝いの総称が40.4%で最多、次いで竣工、個展、周年、出所など。多様な祝いが視覚的に示され、既存カテゴリに収まらない独自のお祝いが浮き彫りにされている。
資料:Yahoo!検索

最後に「その他」カテゴリの小分類です。既存カテゴリへの分類に迷ったものもこちらに入れています。祝いの総称というのは単純に「祝い」などと検索されたものになります。本当にさまざまな祝いがあることがわかりますね。

何をあげればいいのか

日本には本当にいろんなタイミングでお祝いをしているということが、分析結果からも見えてきました。
では、次に気になるのが「何をあげているのだろう?」ということですね。お祝いの種類やタイミングによってはふさわしいと思われるものが異なるため、検索の世界でも何をあげればよいのか?と調べる人はたくさんいます。

そこで、いろんなお祝いのシチュエーション別にどのようなアイテムがよく検索されているのかの特徴を調べていました。今回は各祝いを含むキーワードをすべて取得し、そこに含まれる単語の中からアイテム名と思われるものだけをフィルタ。全キーワードの中にその言葉が含まれる割合を調べました。

祝い別のプレゼント傾向分析

祝い別のプレゼント傾向を示す分析図。縦軸にアイテム名、横軸に祝いの種類が並び、円の大きさで検索頻度を示す。還暦祝いには食事が突出して人気。色のグラデーションは検索頻度に対応し、祝いに適したプレゼント選びの参考になる。
資料:Yahoo!検索

それぞれの祝いにおいて、どんなアイテムが好まれる傾向にあるのかは縦軸に見ます。基本的に円の大きさが大きいほうがその祝いにおいてよく検索される傾向にあるアイテムです。例えば還暦祝いの軸を見てみると、「食事」が突出して大きくなっており、祝いとして食事がよく好まれる傾向にあるようです。また、色のグラデーションは円の大きさに準じています。

就職祝いにはボールペン、出産祝いにタオル、還暦祝いには旅館、昇進祝いにはネクタイなど、それぞれの祝いにおける人気のプレゼントの傾向などが現れました。もし祝い事で何をあげればよいかを困った際は、上記のデータを思い出して参考にしてみるのもよいかもしれません。

お祝いグッズ

定番のお祝いグッズは先ほど紹介したデータでなんとなく見えてきました。では最近伸びてきているアイテムというのはあるのでしょうか?
そこで「出産祝い」と関連性の高いアイテムを抽出して、そのなかでここ5年間の検索数の伸びを調べ、右肩上がりで伸びてきているものを抜き出してみました。

「出産祝い」と関連度が高く、この数年伸びてきているアイテム

「出産祝い」と関連度が高く、検索数が増加しているアイテムのグラフ。授乳ライト、シリコンスタイ、ベビーブリング、ベビーワゴンの検索数が2015年から2019年にかけての推移を示し、最近人気が高まっているアイテムを視覚的に把握できる。
資料:Yahoo!検索 集計対象期間:2015年1月~2019年12月までの月間

このようなアイテムを選んでも喜ばれるかもしれませんね。

Yahoo! JAPANビッグデータレポートでは、これからも世の中の課題についてデータを元に検証し、データが持つ可能性や力強さをお伝えしてまいります。今後ともビッグデータレポートをよろしくお願いいたします。

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