こんにちは、「Yahoo! JAPANビッグデータレポート」チームです。
現在、新型コロナウイルス感染症は私たちの生活にさまざまな影響を及ぼしています。当チームも街の人流に関するレポートを更新中です。
自宅待機時間の増加によって、映画や小説などに触れる機会が増えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、感染症に関する過去の名作がテレビやSNSなどで話題になるケースも見られます。今回はエンタメ作品への関心度合いの変化を、ヤフー検索データを元に調べてみました。
図1は感染症に関する5つの有名作品の検索数を2019年12月以降の時系列で表したものです。いずれも、新型コロナウイルス感染症に関する世の中の動きとともに増えています。なお作品によって関心が高まる時期に違いがあるようです。1月末の早い段階では「アウトブレイク」、2月に「感染列島」、3月に「ベニスに死す」、直近の4月では「コンテイジョン」と再び「感染列島」が伸びています。また「ペスト」は騒動以降、継続的に関心が高まり続けているのが特徴です(なお一部に作品名以外の検索も含みます)。
同じデータを元に、12月1日週を基準とした指数にしたものが図2です。各作品の関心の伸び率がわかります。5作品のいずれも伸びている中、特に「コンテイジョン」「感染列島」は大幅に伸びています。
次に、他ジャンルのエンタメ作品への影響を調べてみます。対象作品は次の12ジャンル各5作品とします。
図3は、各ジャンルの検索数と12月以降の検索数の伸長率でプロットしたものです。横軸が4月現在の検索数の大きさを、縦軸は検索数の増減を表しています。青い丸は4月の日次平均検索数が12月時点よりも増えたジャンル、赤は減ったジャンルです。
まず左図を見ると、先ほど見たとおり「感染症」作品への関心が大きく増えています。また「キッズアニメ」は検索数の大きさが突出しています。この2つ以外のジャンルを拡大してみると、検索数が増加しているジャンルと減少しているジャンルに分かれています。
ジャンル別の時系列変化を見てみましょう(図4)。先の図と同様、12月と比べて4月の検索数が増えたジャンルは青で、減ったジャンルは赤で表しています。ジャンルによって波形に違いがあります。例えば「ピクサー」は2月末から3月頭に大きく盛り上がっています。また「キッズアニメ」「ミュージカル」は直近の伸び傾向が見られます。休校措置などの影響により、お子様はじめファミリーで楽しめる「キッズアニメ」などが伸びていることも考えられます。
同ジャンルでも作品によって傾向が異なるようです(図5)。
例えば、「ホラー」は「シャイニング」以外の作品は増加していました。また、全体的に低調な「ラブロマンス」の中で「タイタニック」だけは増加しています。
最近の伸びが大きい「ミュージカル」は「レ・ミゼラブル」が増加していたようです。明るい作品からハードな作品まで、さまざまな作品に関心が高まっていることが伺えます。
映画や文学作品を楽しむことは私たちの心を豊かにしてくれます。インターネットを通じて古今東西の名作に触れられる今、お気に入りの作品に出会ってみてはいかがでしょうか。
なお、動画サービス「GYAO!」ではさまざまな映像作品を配信中ですので、ぜひご覧ください。
引き続き、Yahoo! JAPANビッグデータレポートをよろしくお願いいたします。