こんにちは、「Yahoo! JAPANビッグデータレポート」チームです。
今回は、ヤフーのデータではなく、リアルのデータを使った分析の紹介から始めていきたいと思います。
皆さんは1週間に何回くらい電車に乗りますか?
電車通勤をしている方は少なくとも往復で10回は乗っていそうですね。
一方、クルマ中心の生活をしている方にとっては、電車は特別な用事がある時にだけ乗るものかもしれません。
以下のチャートは、一人の人が一年間に電車を利用する回数(※)を横軸、マイカー通勤・通学率 を縦軸にとり、47都道府県をマッピングしたものです。
電車とクルマの利用度という観点でみると、日本の都道府県は以下の3つに大別されることがわかります。
とりわけ東京だけが右端に孤立していて、極端な電車社会であることが見てとれます。
東京の人は年間で何と800回以上も電車に乗っていることがわかりました。
赤ちゃんからお年寄りまで含めての平均が800回を超えているのです。
これは神奈川や大阪と比べても2倍以上です。
神奈川をはじめとする関東・関西の主要府県の人は東京と同じようなライフスタイルを持っている印象もありますが、実際は東京ほど電車寄りではなく、電車とクルマをミックスした生活をしています。
また、残りの大半の県はクルマがメインです。
電車は年に数十回乗るかどうかであり、東京の10~100分の1にしか過ぎません。
このように、リアルな生活データで、東京が他の地域と全く違う一面を見つけました。
まるで日本には2つの別の国が存在しているかのようです。
では、インターネットの利用から見ても東京は特異な存在なのでしょうか?
2015年一年間の検索データから見てみました。
下図は、人口一人あたりの年間検索数を指数化し、都道府県別に表したものです。
こちらをみると、東京人は他県に比べて圧倒的に検索数が多いことがわかります。
東京の一人あたり検索数を100とすると、次点の大阪でさえ東京の3分の2にも満たず、ほとんどの地域では東京の半分以下という状況でした。
最も少なかったのは鹿児島で、東京よりも7割以上少ないことがわかりました。
次に、検索の中身についても東京の異質性が見られるのかチェックしてみました。
すると、先ほどリアルデータでみた「電車vs.クルマ社会」に関連した構図が浮かび上がってきました。
図3は、各都道府県の昨年1年間の総検索量に占める自動車メーカー(国内大手8社)に関連する検索数の割合を、最も多い都道府県を100とした指数にし、日本地図にあらわしたものです。
すると東京が圧倒的な電車社会であるためか、自動車メーカーへの関心が他県と比較して顕著に低いことがわかりました。
一方で、「タクシー」の注目度は、東京で極端に高い結果でした(以下、図4)。
電車社会である東京はクルマを所有することへの関心が低く、必要なときのみタクシーを活用している様子がうかがえます。
リアルのデータと同様、インターネット上の注目度でも、東京の特異性が見られました。
次に、交通手段以外の検索ではどうなのか調べてみたところ、「フィンテック」や「Uber」といった最近のIT用語は、以下の図5のとおり、東京での注目度が高いことがわかりました。
また、「中学受験」や「TOEIC」といった勉強系の注目度も、東京を始めとした都市部で高いようです。
電車やタクシーをよく使い、ITに関心が高く、子供も大人も勉強している、そんな東京の姿が浮かび上がってきますね。
さて、東京の特異性について述べてきましたが、東京以外のエリアでも地域差はあるのでしょうか?
まずは昨年の国民的話題の中から、私たちの暮らしにも影響のある「マイナンバー」「ふるさと納税」について見てみました。
すると「マイナンバー」は全国的に関心が高く、地域差がないことがわかりました。
一方で「ふるさと納税」については、関西エリアでの関心が他の地域と比べて高く、地域差が浮き彫りになる結果となりました。
では、食べ物における地域差はどうでしょうか。
麺類で比べてみると「ラーメン」は東日本、「そうめん」は西日本といった具合に地域性がみられました。
東西の地域差は、食べ物だけではないようです。
昨年話題の大作映画に注目してみると、「フォースの覚醒」が公開された「スター・ウォーズ」は東日本、「ジュラシック・ワールド」は西日本の検索が多い傾向がありました。
世界的に人気の両映画への関心度合いに東西で差があることは、興味深い結果でした。
以上、まとめると
いかがでしたでしょうか。
「Yahoo! JAPANビッグデータレポート」では、今後もデータの持つ力や面白さをお伝えしていきます。引き続きよろしくお願いいたします。